成果の期限

最近の公募を見ていると,ここ5年間の業績とか論文に限定されていることがある…が,これってよく考えると結構きびしい.最近5年間の査読付き学術論文が5本というのは,つまり毎年確実に1本通しているということである.S藤I朗先生ならともかく,筆頭著者でやるのは結構きびしくない?

これでは,会社の都合で別の仕事をさせられたりして空白期間が生じたり,管理職業務などで研究を怠るのは致命的とも言える.実際に,以前会社の説明会でも,昇進して管理職業務に追われるようになったために,最近5年間の業績がほとんどなく,大学への転職が難しい人が多いという話だった(ちなみに気がついていても,手遅れになるまで知らせない(本当のことを知らせたら,会社の一方的な都合で使いにくいから)のは,私の会社の方針らしい(苦笑)).数年前には退職時期の迫った部長クラスが直接面倒見ていない部下にも論文の共著に名前を入れさせるとか泥縄でやっていたが,その後の彼らの悪い評判(苦笑)のために,最近はその辺のチェックもきびしいと聞く.

これは,会社に最後までいる(その後取締役になってさらに居続けるか,関連企業へ天下り)ことと,業績がピークの時に大学に転職することが,排他的な選択肢になってきているということだろう.ちなみに,我が社では,歳を取ってから他企業へ転職する事例はほとんどないので,他企業への転職の決断時期はもっと早いということになる.そして,業績がピークの時期ということは,その選択肢を決める時期も,かなり若い時にシフトしているということだ.

以前,若手のキャリアプランは,すでにそうなりつつあると書いた.しかし,その(勝手に若い方にシフトしてしまった)決断時期を過ぎてしまって,どちらの選択肢も選べていないと,かなり苦しいかもしれない.

…という自分が,まさに今その苦しい立場にあるのだが(泣笑)他の人は,とりあえず馬車馬のように成果を量産すべし.