某シンポジウム

某ユーザグループのシンポジウムに,T工大のスパコンTSUBAMEの話を聞きに行ってきた.

凄いのは独法化で財政的に厳しい状況の中で,この計画を通して実現したM岡教授の手腕だろう.既存の建物をそのまま利用しなければいけなかったために,大型エレベータがなく人手で搬入とか,無理矢理屋上の強度を上げてエアコン設備を載せるとか,かなり涙ぐましい努力をしている.

ただ,一つ気になったのは「みんなのスパコン」というわりに,運用の安定化はあまり重視されていない雰囲気のところか.たとえば,本当にコモディティ化したいとしたら,スパコンランキングに挑戦するから1週間使用できませんとか言えなくなってしまう.また,N社の?球シュミレータより部品が故障しないと自慢していたが,部品数が多ければ故障率が上がり,かつ発見が難しくなるのは当たり前なので,故障が起こらないことを前提とする考え方は「みんなのスパコン」にはなじまない.偶然副学長の研究グループに割り当てたプロセッサが故障して問題になったのは確かに運が悪いが,そうなる状況を放置していたのは(「みんなのパソコン」を目指す限りは)同情できないかも.ただ,これらは本格運用すればすぐわかることだし,そもそもM岡教授はもっとしっかり考えているだろうけどね.

その後,OpenSolarisの講演があるが,内容が技術的でないのと,とにかく部屋が冷房が効きすぎて寒く,半袖のポロシャツではとても耐えきれなかったので,体を壊す前に出てきてしまった.

なお,会場でS庭氏と会い,編集者のH氏を目撃.