「めちゃくちゃ怪しい人たちばかりが跳梁跋扈している大学」への憧れ

M氏のブログから辿り着いたが,非常に示唆に富む記事.

http://blog.tatsuru.com/2007/01/22_1017.php

もやしもん」,「のだめカンタービレ」,そして少し古くなるが「動物のお医者さん」という大ヒット漫画が受け入れられた理由は,今の時代の若い人達の少なくない割合で「めちゃくちゃ怪しい人たちばかりが跳梁跋扈している大学」や「わけのわかんない先生に振り回されて過ごした、いかなる経済合理性とも無縁な不思議な大学生活」というものに憧れているからと分析しているのである.ただし,単なる奇人・変人ではなく,その中に何らかの評価に値する部分が存在することが条件に入ると思う.なお,私は「ハチミツとクローバー」もその中に含まれると主張したい.

思えば,私が子供のころに憧れていたのはマッドサイエンティストであり,一般の社会常識に欠けようが,貧乏しようが,一つのことに熱中して生きていきたいと思ったものである.

なお,これは会社においても変わらず,私は最初は今の会社なんかまったく眼中に入っておらず,もっとエキセントリックな仕事(苦笑)を求めていた.当時は同級生と一緒に企業を回っていたので仕方なくつきあったのだが,そこでI崎氏やY崎氏に案内してもらって,スーツを来ていたら「君,なんでそんな格好しているの?」と言われたり,会社内に作られた神社(笑)を見せられたりして,「ここ以外ない!」と決断したのであった.しかし,そのような変人達は,いまはほとんどいなくなってしまった….

確かに,大学に端正さを求めてばかりいていいのだろうかと思う.たとえば,日本が「美しい国」であるとしたら,それは狭い国土に海から山から川からごちゃごちゃに詰め込まれた故の混沌さや,それが四季に応じて変化することから来るのであろう.また,素晴らしい音楽や絵や文章があるとしても,実際にはやはり混沌の中から生み出されるものであろう.もし大学が何かを生み出そうとするのなら,「活性化した混沌状態」を作る必要はないだろうか?…まあ全然駄目かもしれないけど(苦笑),もしかすると,G社が目指しているのは,会社をまさにそういう状態にすることなのかもしれない.

最後に,ここを読んでいる大学関係者には,ぜひ次の言葉を捧げたい(笑).

だが、「大学漫画」は日本の若者がいま大学に求めている「夢」を表象したものである。
もし、真にビジネス・マインデッドな大学人であれば、まず『もやしもん』と『のだめ』を熟読玩味するところからマーケットリサーチを開始するであろう。