最高学府はバカだらけ 全入時代の大学「崖っぷち」事情(石渡嶺司)

一緒に,この本を買ってみた.

最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書)

最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書)

前半部は,題名を反映してバカバカ言っていてうるさいくらいだが,あまり主張がない.ただ,コンサル妄想の話で,実際にO川氏のコンサル就職の話を間近で見てきたので,少し面白かった.でも,弊社も研究所名がカタカナでイメージが良いというだけで,(仕事内容はさておいて)そこに志望者が殺到した事例もあることだし,会社の内情がわからない学生が得られるわずかなイメージだけで仕事を選んでも仕方がないことは昔から同じだろう.重要なのは,入社してからである.なお,この本の主張はAO入試がバカ学生の大量発生の原因ということのようだが,実は私はAO入試というのがどういうものかよく知らなかったので,この点は勉強にはなった.
この本の価値は,各大学の施策について詳しく述べた後半部にあるような気がする.問題のある大学とはどんな大学か,また大学が生き残りのためにどのような施策をしているかは,大学の外側にいる人間としては,普段いろいろ情報は入っていても断片的で,今一つよくわからないが,それをわかりやすく解説してくれる.これから大学を受験する人にわかりやすいかはわからないが,今後研究者として大学に残る人や,これから大学への転職を目指している企業人にとっては,非常に参考になると思う.特に,後者の人は必読の書かもしれない.