某研究発表会
某研究発表会のために京都に.まず最初に目当ての講演を聞くが,京都観光アシスタントは使用している技術は一般的なものでも,それをシステム化したという点で結構テーマとしては面白いかも.ただ,現時点ではまだまだ未実装機能が多そうだし,関連要素技術もまだまだ途中段階というものが多いようだ.
あと,以前にO電気のM田氏に聞いていた,K大のI田教授らが進めている言語グリッドの話など.ただ,データ提供者が不正利用を恐れているとか,将来的に課金を考えているなどの理由から,それまで企業は使ったらダメとか制約が多いので,はたして広まるかどうか….オープンなソフトウェアだけでなく,オープンなデータや辞書も作成・利用して,その部分だけは企業も自由に使わせてほしいと言ったが,そういうことは残念ながら考えていないらしい.OSSの普及の大きな理由として,企業の営利目的の利用を許容したことがあり,そのために企業から業務として人員がたくさん送り込まれ,特許やノウハウなどの移転も行われたのだが….なお,非常にコネタながら,日本語をターゲット言語に翻訳した後に,再び日本語に戻すことによって翻訳誤りをチェックするインプットメソッドは面白かった.実際,国際会議の論文を書くときには,英文を英日翻訳に掛けて英文の妥当さをチェックすることが多いので,修正のアドバイス機能が実現できれば,私も英語の論文を書くときに使ってみたい.
さて,一番面白かったのは,やはりY田氏,S馬氏らの研究.事前に二人ともやる気ナッシングと言っていたのに…(笑)Y田氏は大規模ネットワークデータの処理のためのアルゴリズムや可視化の高速化を精力的に進めており,非常に素晴らしい.私のところは,人はどんどん辞めていくし,予算もないし,全然手が回らない.なお,私のために某ブログサービスのデータを突貫工事で処理して間に合わせてくれたらしく,さらに後から一緒に論文を書かないか?と誘われたが,共同研究者がどんどん会社を辞めていく昨今,実現したら本当に嬉しい.また,彼らが今回ほかの部署で余っているので借りてきてやってみたという裸眼で3D表示できるフィリップスのディスプレイのデモ効果は非常に高く,女性や子供にも大人気.表示にいろいろ制約はあるものの,特別な眼鏡を使わなくても見れるということは,興味を持っていない人にもアピールできる効果が非常に高い.また,GPUによる並列処理の話で盛り上がるが,先日発表された新製品でPC一台に4枚入れられるようになり,スパコン並みの計算をする環境が手が届く価格で実現できるようになってきている.当面はM林氏やY田氏にがんばってもらい,その後私も自分の研究環境を整えて(…何年かかるか…)一緒にやってみたいと思う.なお,M林氏のC研は研究予算が豊富で余っているそうでフィリップスのディスプレイを買おうか迷っていたようだが,これは総研究予算のある割合を基礎研究に割くことが決められているからであり,その対象外の私のM研は?GNと研究を外注する人たちに予算をごっそり持っていかれて,パソコン一台自由に買えないとは,研究所としてとても情けない状態になってきたものである.
立派な研究者であるS馬氏には,残念ながら私は単なるウォーキング仲間としか認識されていない(苦笑)ので,まず顔を合わせたらウォーキングの話.無理やりF田准教授との共同研究について説明してもらったが,なかなか面白い話が一杯.なお,最近彼の研究所では,資金獲得が難しくなりつつあるので,必ず実現できる研究テーマばかりになり,革新的な研究テーマとか,実力があるけど変わった人が消えてしまった(大学に行くとかではなく,本当に消息不明になるらしい)という話を聞き,確かにパネルを見るとそういう感じの研究が多いのを感じた.まあ,これは弊社でも同じなんだけど,弊社の場合は大学やG社に逃げていて,消息がちゃんとわかるという点ではまだましなのかもしれない.
最後に,Y田氏の部屋に遊びに行って,さらにいろいろ説明してもらい,ついでに某難関会議に投稿する瞬間を目撃(笑)