カンナさん大成功です!(新宿バルト9)

ただ新宿に買いに行くのも馬鹿らしいので,ついでに今年初となる映画を見てきた.
これは「白鳥麗子でございます!」の鈴木由実子の同名の整形美人が主人公のマンガを原作にした韓国映画.ただし,韓題は「美女はつらいの」的な意味で,英題は「200 Pounds Beauty」で,原作のエピソードをベースにしているが,脚本は原作とはまったく別物に仕上がっている.
この映画を一言で言うのなら,「現代版マイ・フェア・レディ」なのかもしれない.つまり,愛する男性のために別人のように変わった女性が,彼の女心に対する鈍感さや昔と今の自分とのギャップに苦悩することがテーマだ.唯一違うのは,イライザと違って女性が男性の力ではなく自分自身で変身し,自分の特技で生きていくということだろう.
この映画を見終わった後,すぐ売店に駆け込んでパンフレットを購入した.というのは,「太ったカンナを演じたのはヒロインのキム・アジュン自身か?」,「まさか歌までキム・アジュン自身が歌っているのか?」という二つの大きな疑問があったからで,調べてみると確かにどちらもキム・アジュンだった.これは凄い!!!
というのは,彼女は必ずしも特別な美人とは言えないと韓国で評されており(私は中谷美紀麻生久美子を足して二で割った感じで好きなのだが),この映画のヒロインとして第一候補ではなかった(整形美人がヒロインなのに,「整形していないこと」が条件だったことが選ばれた理由らしい)のだが,手術前・手術後の人間の違いや変化の演じ分けが素晴らしく,特に後者は愛らしさ満点でとにかくかわいいの一言につきる.また,歌がめちゃくちゃ素晴らしく,本来は吹き替える予定だったが,あまりに歌が上手く(女優より前に歌手でデビューする話もあったらしい)急遽本人が歌うことになったそうだが,韓国で大ヒットした"MARIA"以外にも"miss you much", "Beautiful girl"など良い曲が多く,ぜひサウンドトラックを期待したい.なお,梨花が日本語で"MARIA"を歌っているが,やはりキム・アジュンの方がいい.

他にもベテラン俳優がしっかり脇を固めていたり,映画の作りとしてもそつがない感じだが,やはりこれは笑って泣けて魅せられる「キム・アジュンの映画」であろう.
なお,日本でリメイクされることも決定しており,カンナ役が山田優,その親友役が山崎静代らしいが,韓国版がこれほどまでのレベルだと,よほどがんばらないと厳しいかもなあ….