作(上石神井)

さて,O塚屋のK子氏に怒られないうちにと,ここの奥さんのりえさんに挨拶に行く…が,店の中に入ったら,「あっ,…(←私の名前)さん!」と言われる.まだ一度も会ったことがないのに,なぜ私の顔がわかるんだろう???もしかして,K子氏の差し金?(爆)
さて,今日のこの店の大きな変化は,かんすけと蓋付きの錫のタンポが備えられていたことだ.もちろん,今までの湯煎徳利も,自分で好きなようにお燗することができるという利点があったので,お好みに応じて選んでくださいということらしい.湯煎徳利の一番の問題点は,飲み手側にその酒の性質についての事前知識がないと,旨さをうまく引き出せない(それで悪く判断してしまう)危険があることだ.たとえば,今回は竹鶴を頼んだ時に,「一旦70℃まで上げてから,60℃に落としました」(竹鶴をよく知らない人が聞いたら,怒り出しそうな台詞だな(笑))と言われたのだが,こういうのは普通の人は絶対自分でやらないよね.
お酒は以下の通り.
料理は,お通しの三点盛(ほうれん草・エノキの胡麻和え,切り干し大根・茹で豚肉,厚揚げとホタルイカの煮物),鹿児島産寒鯖の酢〆,春の山菜天ぷら盛り合わせ,奈良カマン(群馬泉の奈良漬とカマンベールチーズ),ヘペスの味噌釜.寒鯖と神亀の相性は抜群.また,ブレンドの示す可能性にも驚かされた.また,奈良漬とカマンベールチーズの組み合わせは意外で素晴らしかった.ヘペスの味噌釜は柑橘系の酸味が強いと聞いて酒の選択に困り,りえさんに選んでもらった.確かにどぶも相性がいいが,突出した酸味を包み込んで他の方向に変えるような酒があれば面白いのに.

なお,今日はいつも面白いマスターが男前だったので,「今日はいつもと違いますね」と突っ込みを入れたら,「そんなことないよ」と言っていたが,やはり奥さんが仕事場にいると,男はいつもより張り切るものなのかもしれない.