第6回 究極の静岡吟醸を愛でる会(ホテル虎ノ門パストラル)

今年も「究極の静岡吟醸を愛でる会」に参加してきた.静岡県は29蔵あるらしいが,そのうち24蔵が出品,12蔵が会にも出席しており,出品酒は58種類,仕込水は5種類.これは業界側ではなく吟醸番氏と事務局の清水氏という飲む側の人達が主催するイベントなのだが,静岡の酒を語る上で欠かせない会になりつつある.
今回も無事全種類制覇したが,今年の酒は昨年よりも華やかさが少し抑えられ,そのかわりに味が乗っている傾向があるように感じられた.特に素晴らしいと思ったのは,開運,杉錦,萩錦の3蔵.さすがに大吟醸ともなると,華やかな面はあるのだが,その背後にしっかりした味があるという点で,私的にはこういう酒を「静岡の酒」とイメージしている.他に,千寿,國香,萩の蔵,小夜衣,忠正,臥龍梅,英君,正雪,富士錦,高砂などが良かったと思う.國香は最初飲んだ時には渋くて「これだとこの時期は早すぎるかな…」と思ったが,終了間際に飲み直したらちゃんと味がのっていて美味しい.他にも,印象が良くなったのは千寿.富士錦は今年もまたかなり造りの傾向を変えてきたのが面白かった(安定していないのかもしれないが).なお,大吟醸は添加したアルコールの刺激の強さが感じられたものが多かったので,もう少し純米大吟醸の比率が増えて欲しいと思う.
この会が面白いのは,蔵元,飲食店,消費者の三者が対等な形で話し合えることで,遠くてなかなか行けなくて本当に申し訳ない金沢八景「さかなや」,新橋「うさぎ」などの店主や従業員達と会って,「…が旨い」などいろいろ話し合うことができた.今回も「さかなや」名物の亀の手を味わいながら飲めたのはうれしい.
なお,おつまみ類もいろいろ出してくれるのだが,全種類制覇のためにお酒に比重を置いているので,こちらはあまり食べることはできないが,ある程度食べないと酔いが回りすぎるので,テーブルを移動するたびごとに軽くつまんでいた.今回非常に美味しかったのは,静岡名物の黒はんぺんを二枚重ねて揚げてカツにして,それにソースを掛けてパンで挟んだサンドイッチ.これは最高だった.
最後に,こんな素晴らしいイベントを毎年企画してくれる吟醸番氏・清水氏達主催者と,今年も誘ってくれたS井氏に感謝したい.
蛇足:この後,「うさぎ」の店主・従業員・お客達と,二次会に.JRに乗るまでは正気を保っていたと思うが,翌朝起きたらどこに行ったのか全然覚えていなかった(爆)