小学館問題

「金色のガッシュ!!」の雷句誠が小学館を訴えている問題は,分野が違うが一応執筆やら翻訳もする私にとっても他人事ではないのでしっかり見守っているのだが,訴状やブログを分析すると,次のような原因がありそうである.

  • 編集者の言動問題.どうも小学館だけ態度が悪いという噂は以前からあったが,それが一番の問題なのかもしれない.もちろん,創作に携わっている人間は多かれ少なかれ自信家であり,時にはその鼻っ柱を折って真実に気付かせることが必要だと思うが,その際にはかならずちゃんとフォローしなければいけない.これまで禁止すると,逆に今の学校が荒廃したように,レベルが低下すると思う.しかし,新條まゆの告発を見ると,それが常態化していたのではないか?仕事内容は違うが,弊社もとにかく態度が悪い人間が多いのは有名で,打ち合わせのたびに定規を買って行く(毎回定規を叩き折って下請け会社を罵倒するために使用する)人もいたくらいである(爆).
  • 編集スタイル問題.編集者が積極的関わって欲しいか,それとも最小限の編集作業で済ませて干渉しないで欲しいかは人によって違う.実際,上記のサイトでも漫画家により評価が別れているし,これは一概に良い・悪いは言えない.編集者によっては最初に「どちらにした方がよいですか?」と確認する人もいたが,それがベストだと思う.
  • 24時間働きなさい問題.漫画家が24時間働いているのだから,編集者も24時間働け…はちょっと暴論.実際私は17:00以降は編集部はがらがらというところを知っているが,結局は締切をちゃんと守れない,常識的な仕事時間にできない作家の方の問題ではないかと思う.もちろん,緊急時には気持ちよく対処して貰いたいが,それを強制するのは本末転倒.
  • 仕事しない・できない問題.これも怒りを買う原因だったのではないか.つまり,仕事できないのに,口だけ達者というわけである(弊社もそうだが,硬軟をうまく使い分ける上司の片面だけを見て都合よく解釈する人が結構いるのである).編集者は自分では直接物を創らないので,真面目にやろうとしたらこれほど大変でありながら見返りがない作業もないと思うが,サボろうと思えば徹底的にさぼれるのである.

しかし,編集者と言えども千差万別,多少悪い人間の比率が多かろうと,いい人はいるはずなので,できればうまい形で決着がついて欲しいものである.
なお,私は最後の件で困ったことがあった.たとえば原稿を受け取りながら一年以上も放置して,何度催促してもできあがらないので,他に原稿を持ち込みたいと言ったら,切れて「お前が途中で直すから悪い!(半年以上原稿を放置されたので,途中で内容が古くなった部分を「一ヶ月は編集しないから,その間にやって」という確認を得て修正しただけ)」と言い出したり,最近の某文字コード本で,原稿が続々出来上がってきて,私が何度も催促しているのに,編集者がまったく仕事をしないので,そのうち他の翻訳者も作業しなくなってしまったことがあった(現在K林氏が某コンソーシアムのホームページで作業途中の原稿を公開するために作業を委託しているはずだが,当然ながらその編集者からは数ヶ月たっても何も音沙汰がない(苦笑)).こういう人達に限って,人に対する締切は非常にタイトだったりする(苦笑)他にも,困った編集者は何人か体験している.しかも,こういう変な編集者は,情報操作をすることで,恨みをはらそうとするから始末に負えないことが多い(被害者が増えて互いに連絡が取れた時に,それがようやくわかるわけだが).
最後に一言,編集者と言っても千差万別なので,仕事を引き受ける前に編集者の人となりをよく知ってから引き受けよう!相性や考え方の違いもあるので,ある一人がいいと言ったからと言って,それを鵜呑みにしてはいけない.