パコと魔法の絵本(T・ジョイ大泉)

中島哲也監督による,後藤ひろひとの舞台「MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人」の映画化.残念ながら舞台の方は見ていないけど,舞台のテンションを維持しながら,映画でないと不可能な世界を造り上げているのではないかと思う.もしかすると,この監督の目には,世界はこんな風に見えてるのかもしれない.この映像世界は一見の価値あり.
役者の方は,まずパコ役のアヤカ・ウィルソンが素直で明るくてとにかく可愛い.彼女の他は強烈なキャラクターばかりだが,役所広司の演技が素晴らしいのは当然として,浅野(医者)役の上川隆也がふと見せる医者としてのシリアスな表情が非常に良い.他の役者も今までの殻を破った新しい演技をしてくれていて,とにかく素晴らしい…が,ファンはあまりの変貌ぶりに失望するかもしれない(笑)ところで,最後のスタッフロールを見ている時にようやく貫地谷しほりが女子社員のサオリちゃん役で出演していたことに気がついたorz(たぶん,会社の会議シーンに出ていた女の子ではないかと思うが…)
とにかく,非常に楽しくて泣かせる映画である.舞台が好きな人は特にいいのではないだろうか?ただし,一つ気をつけて欲しいのは,これは題名と裏腹に,内容があまり子供向きの映画ではなく,CGを多用した絵本のストーリーのシーンは見ていても,他のシーンはつまらなそうに騒いでいる子供が多かったことだ.あまり映画好きではない子供は連れて行かないことをお勧めする.
さて,今悩んでいるのは,この映画に出て来た絵本を姉の子供のS子(アメリカ在住)のために買うかどうかである.この絵本と一緒にDVDを見せるとすごく喜びそうなんだよなあ(とにかく映像好きで,映画を見せるといつも食い入るようにみているのだ).一応,義兄にS子に欲しいかどうかを聞いて欲しいとメールを出したが,こういうのが嫌いな彼(DVDを見つけると捨てちゃう人なのだ)によって握りつぶされたらしく,まったく返事なし.

パコと魔法の絵本 ガマ王子対ザリガニ魔人

パコと魔法の絵本 ガマ王子対ザリガニ魔人