おろち(T・ジョイ大泉)

梅図かずお原作の「おろち」の映画化.門前姉妹の一草と理沙を演じるのは木村佳乃(母親の葵と二役)と中越典子ということで,この二人が演じるなら…と期待して見に行ったのだが,スクリーンを見ているのが辛くなるくらいの見事なドロドロの愛憎劇だった.さすがである.主役のおろちは谷村美月.ただ,おろちを演じるには若干若すぎる&幼すぎる気もした(たとえば,ナレーションの声が幼すぎるとか).たとえばちょっと魔女的な雰囲気(妖艶な美少女という感じ)がある黒木メイサが演じたおろちも見てみたいかも(ただ,こちらだと今度は佳子の時の初々しさがでないかもなあ).執事の西条を演じるのは嶋田久作で,映画デビュー作の「帝都大戦」でも衝撃を受けたが,今だにその存在感は凄い.
ポスター写真は蜷川実花で,確かに素晴らしい写真を撮っているし,柴田淳が歌う主題歌も良い.
私は数十年前に読んだ原作がしっかり記憶に残ってしまっているので,残念ながらストーリー展開で驚くことはないのだが,知らない人が見に行けばかなり楽しめるのではないかと思う.