麹也(きくや)(銀座)

I社のS井氏が以前から注目していた銀座の蕎麦屋を紹介してくれるというので,夕方銀座に.この店はかずさん&あっきさん夫妻の行きつけらしいが,住所や電話番号などの詳しい情報を公開していない,常連客とその紹介だけで営業する方針なのだ.中央線・西武新宿線方面からは乗り換えが多く,銀座駅からiPhoneの地図を見ながら歩いて見つけるが,本当に隠れ家的な店で,もし看板がなかったら,自分では見つけることはできなかったかもしれない.なお,西武池袋線方面からは池袋乗り換えで済むのが嬉しい.

階段を降りると,そこに9席のカウンターだけの落ち着いた空間があった.女将曰く,できる限りカウンターを長く取りたかったそうで,そのためにカウンターが斜めに配置され,室内は複雑な形状をしているが,よく見るとかなり凝ったデザインである.収納部分もなぜか三角になっていたりするが.実はデザイン優先でデッドスペースも若干あるらしい.店内には電動石臼や女将が最近習っているという三味線が置かれている.我々の横に,立派な額の中に直径3cmくらいの金色の点だけがある作品があり,女将に聞いたところ「これはガラスを展示したかったんですが,それがあることに気が付くように真ん中に金色の点を配置しました」そうで,「あくまで,ガラスがメインです」らしい(笑)
料理は,お通しの菜の花のおひたしに,鶏わさ,栃尾あげ〜ねぎ味噌をはさんであぶりました,山椒のつくね焼き(「つくねの山椒焼き」でないところをみると,山椒がメインなのだろう.実際山椒の美味しさを存分に味わえる一品だった),蕎麦粉のおやき,鴨ロース薫製,〆に蕎麦を太麺と細麺の両方で.蕎麦は蕎麦の風味がしっかりあって,エッジがしっかり立った非常に美味しいもので,蕎麦湯はポタージュのような白い濃厚なもの.おつまみ類も上品な味付けで美味しいし,蕎麦はかなりレベルが高い.
お酒は以下の通り.まずハートランドを呑んでから,あとは燗酒にした.ここはカウンターの中央部には銅製の燗銅壺(かんどうこ)があり,銅のチロリでお燗してから升に入れて出してくれる.ただし,どぶは蕎麦猪口(大・小が指定できる)で出してくれるのも嬉しい.ゆっくり楽しんでいたので,あまり呑んだ気はしなかったが,酒豪のS井氏と一緒ということもあり,リストにしてみるとかなり呑んでいる…しかもどぶはおかわりまでしてしまった(爆)

もし,この店を紹介して欲しいという人がいたら,連絡して欲しい.「ねこ屋」が近くに移転してきたこともあり,近くに来たら,ついはしご酒してしまいそうだ(爆).