内田百種園見学(二升ガールズ遠征集会@山根酒造場.鳥取)

翌日は,ダンディ山根社長達にバスで迎えに来てもらい,内田百種園へ.内田啓一郎氏,(昨日も来て頂いた)内田寿郎氏,そして内田百種園に研修に来ている日置桜の蔵人に案内して頂いた.この日は,強力米,山田錦,もち米,ササニシキの苗を栽培していたところで,次の写真の左側が山田錦,右側が強力,左奥のブルーの網が掛けられているあたりがもち米である(ササニシキは別の場所).機械を使わずに手で種を播くために,苗の密度や成長度合いに若干のばらつきがあるが,それはまったくかまわないとのこと.刈り取り時期が遅くなる山田錦の種を先に播いたために,生育具合は山田錦の方が少し良かった.

次に見せてもらったのが,内田百種園の農業の特徴である「竹パウダー」の作り方だ(現代農業は肥料漬けで,有機農法では堆肥を使う).籾殻をスモークしたものと竹を高圧で破砕・圧縮して混合するもので,手に取ると熱く,竹の清々しい匂いがし,これだけで他とは違う特別な感じがする.竹パウダーを使うことには,竹林の整備が同時にできることや,堆肥と違ってさまざまな有効成分が含まれているなどの利点があるらしい.

次にバイケミ農法の次の応用先として考えている果樹園にも案内して頂いた.そこでは,葡萄,梨,柑橘類などさまざまな種類が栽培されていたが,まだまだテスト段階で本格的な収穫はないということだが,10年ぐらい農薬類を使うことないために,農地としての準備はかなり整っているようだ.
見学させてもらって一番印象的だったのは,「土」である.竹パウダーを一緒に混ぜるためか,柔らかく耕され,上層部には白い菌糸が広がり,ダンゴムシやミミズ,土蜘蛛などが沢山いる.同じ鳥取の田中農場も栄養分を適度なレベルまで減らし,多くの微生物が住むことができるような土を造り上げることを目指しているようで,それが個性的な力のある酒米を造り上げるための秘訣なのだろう.特に内田百種園の酒米で造られた純米酒は,新酒から古酒になる中間の味の伸び具合が抜群だと思うので,このような酒米がもっと増えてもらいたいものである.
さて,見学が終わった内田氏の自宅に招かれて,子蕪と葉の漬物,蕗の漬物,ウドの酢味噌和え,焼きアスパラガス,おはぎをごちそうになる.おはぎは数が少し足りなかったので,前日の夜中に一人でおにぎりをむさぼり喰っていた大食漢のO川氏に譲ったのだが,アスパラガスも美味しいし,特に漬物が絶品だった.私は漬物が大好きなのだが,市販の漬物の多くは調味液で濃い味が付けられているのであまり買わない.このように食べれば食べるほど体がきれいになる気がして,食欲も沸いてくるような自然の味の漬物がもっと増えて欲しいものである.