二升ガールズ第12回集会 辨天娘で温まる会 中島敬之杜氏・太田清人氏を迎えて(松の屋・新宿二丁目)

二升ガールズの第12回集会は,GWに訪問した「辨天娘」の太田酒造場から中島敬之杜氏と,お酒と並ぶ有力商品の奈良漬を担当する社長の弟の太田清人氏を迎えての酒の会である.

当日の料理は,ざる豆腐,鴨肉,白バイ貝,フルーツトマト,レバー焼,セセリ焼,ぼんじり焼,皮焼,茹でトウモロコシ,辨天娘の奈良漬(大根,胡瓜),そうめん.
当日のお酒は以下の通り.

  1. 辨天娘 青ラベル生にごり 15番娘 玉栄・山田錦・等外米(70%) 日本酒度+15 H20BY 製造年月21年4月(鳥取・有限会社太田酒造場)
  2. 辨天娘 純米生原酒 槽汲 あらばしり 3番娘 若桜町五百万石(70%) 日本酒度+13 H19BY 製造年月21年1月(鳥取・有限会社太田酒造場)
  3. 辨天娘 純米酒 5番娘 玉栄(65%) 日本酒度+9 H19BY 製造年月21年5月(鳥取・有限会社太田酒造場)
  4. 辨天娘 純米酒 7番娘 五百万石(65%) 日本酒度+8 H19BY 製造年月21年5月(鳥取・有限会社太田酒造場)…通称「まき子の酒」
  5. 辨天娘 青ラベル 12番娘 玉栄・山田錦・等外米(70%) 日本酒度+13 H19BY 製造年月21年5月(鳥取・有限会社太田酒造場)
  6. 辨天娘 純米吟醸 4番娘 玉栄(55%) 日本酒度+-0 H18BY 製造年月19年10月(鳥取・有限会社太田酒造場)
  7. 辨天娘 純米吟醸山田錦 10番娘 若桜山田錦(55%) 日本酒度+5 H18BY 製造年月19年12月(鳥取・有限会社太田酒造場)
  8. 辨天娘 純米大吟醸生原酒 槽汲 あらばしり 11番娘 自家栽培山田錦(45%) 日本酒度-2 H20BY 製造年月21年4月(鳥取・有限会社太田酒造場)
  9. 辨天娘 純米大吟醸酒 9番娘 自家栽培米山田錦(45%) 日本酒度+1 H17BY 製造年月19年10月(鳥取・有限会社太田酒造場)
  10. 辨天娘 純米酒 2番娘 玉栄(70%) 日本酒度+8 H19BY 製造年月20年9月(鳥取・有限会社太田酒造場)…利き酒クイズ商品

最近恒例となってきた利き酒の今回のテーマは「日本酒度」.二種類のお酒を冷やと燗で利き,その日本酒度を当てるもの.さて,ここで大塚屋の京子さんの言葉のマジックに引っかかってしまった.というのは,「日本酒度がプラス何度か書いてくださいね〜!」と言われたので,「マイナスはないということなのか!」と深読みしてしまったのであった.騙された…orz
さて,今回のお二人と話をした結果を簡単に書いてみようと思う.

  • 杜氏の最初の挨拶が,「娘がお世話になってます.父です.」(笑)
  • 1992年に造りを休止したのは,杜氏が高齢になり,後任を確保できなかったかららしい(中島杜氏は社長の従弟である).
  • 10年後の2002年に再開したのは,やはりオリジナルの商品を作りたかったかららしい(地ビールを造るというアイデアもあったそうである)が,地元からは「正気か?」と思われたそうである.その時に頼りにしたのが,上原浩氏の「いざ,純米酒」である.この本を読み込んで,自分でマニュアルを作成したらしいが,この辺の事情は若桜ピープルが詳しい.それにしても,杜氏の後継者がいないために廃業したり,蔵元の関係者が杜氏の技術を伝承する例は多いが,一旦完全に途絶えたものを,一冊の本を手がかりに復活させたとは,本当に凄いと思う(杜氏曰く「マニュアルがあれば,誰でも造れるんですよ.」と言うが,とても信じられない).
  • 以前は地元の若桜町周辺に出荷していたが,残念ながら普通酒中心なので,純米酒は受け入れられないらしい.また,鳥取は全体的にお燗で呑む習慣はないので,お燗でなければ旨くない辨天娘は地元ではあまり受け入れられていないらしい.
  • 現在は,「米をできる限り溶かす」,「最後までちゃんと醗酵させる」,「もっと長期間熟成させる」,「低精白にしていく」方針らしい.日本酒度がマイナスなものもあるが,それは意図的にマイナスにしたわけでなく,醗酵が自然に停止した結果らしい.杜氏は「まだ醗酵したがっている」というような言葉を使っていた.
  • 杜氏は「妄想なんですけど…」,「妄想が強いんですが…」という言葉を何度も使って,酒造りの方向性を語っていた.酒造りの方針と言い,妄想の強さ(笑)といい,どうしても竹鶴酒造の石川杜氏が連想されてしまう.
  • 創業百周年!それを記念に手ぬぐい(紫と紺の二種類)を作成した.な,なんと今回の参加者全員にプレゼントしてもらった!

さて,他のこともいくつかメモしておこう.

  • お酒は無事全部完全になくなった.やはり,ayayaとまき子さんの二人が参加していると一味違う(笑)
  • 当日着物姿だったのは,ayayaとT野氏,U島氏.気温が高かったので,ワカダンナと私は着物を着るのを断念したのだが,T野氏とU島氏は一重の着物をわざわざ購入してきたらしい.私も涼しい長襦袢と一重の着物を入手せねば….それにしても毎度ながらayayaの着物姿は美しい.
  • 新宿の花園神社でお祭りがあって,しーちゃんはいなせなハッピ姿だった.
  • ワカダンナは,最初から最後まで奈良漬の話だけだった.そんなに気に入ったのか….ちなみに,大塚屋ではお酒には辛口の奈良漬が合うという理由で久保本家酒造の奈良漬だけを扱っていたが,ご飯に合う甘口の奈良漬を欲しい人も多いので太田酒造場の奈良漬も扱うようにしたらしい.
  • 大塚屋の京子さん,どうも寺田本家の藤波杜氏の奥さんに「腹黒」と言われているらしい(爆)
  • なぜか「大塚屋メイドウィーク」というメモ書きが…もしかして某漫画の巻末コーナーのように大塚屋でメイド姿の京子さんが接客してくれるということか???(酔っぱらって詳細失念)
  • なぜか「京子は5升」というメモ書きが…(笑・酔っぱらって詳細失念)