某開発者の日

G社の開催するイベントのためにみなとみらいに.

  • 無線LANと充電スペースが用意されていた.これこそ,ネットワークサービスの会社のやることだろう.
  • 「Office Hours」という名称で,講演者とセッション後で議論できる機会が用意されていたのも素晴らしい.さすが,G社はよくわかっている.
  • 参加者数が多すぎて席に座れず,床に座り込む人多し.当日は荷物の軽量化のために,Eee PC 901を持って行ったが,これは座りながら使うには小さすぎた.
  • 事前登録した来場者全員にGDDフォンを無料で配布した.そもそもこのイベントは開発者に制限されている(申し込みの時にそのような警告が出る)し,後発会社としては,自社サービスを愛用し,それを使っている開発者を一気に信者にでき,さらにその創発的な効果を得るよい機会だから,対費用効果を考えたら安いものだろう.
  • しかし,ドコモがまだ決断ができていないのか,定額制データ通信プランのアナウンスはなし.I原氏はもしかするとドコモは定額制プランを提供するとは限らないとアナウンスしていたが,あいかわらず決断の遅い会社である(爆)今回の端末に定額制プランを提供しなければ,持っていても使えないので普及やアプリの充実に歯止めをかけてしまうが,提供してしまうと,今までの自社端末限定という鎖国政策に風穴を開けてしまうことになるので,難しいところである.ただし,長期的に見たら,どちらにせよ端末は解放される方向に向かわざるをえないだろうが.
  • HTML 5.0でデータのタグ付けのコンテキストが判別できるようになるのは,HTMLファイルからの情報抽出をおこなっている人間にはありがたい.しかし,記事本文への広告の混入などが阻止できるのか?
  • HTML 5.0は,一種のプログラミング言語に近い存在になりつつある.しかし,今までの宣言的な文書定義から離れていくことは,デザイナーとプログラマーの協調を難しいものにしないのか?また,プログラミングを可能にするにしても,他のアプローチはなかったのだろうか?CurlTeXのような文書とプログラムを同一形態で記述できるようにするアプローチとかは面白かったのだが.なお,マークアップ言語が木構造を持つ特徴を利用し,JavaScriptのようなスクリプト言語とそのマークアップ表現を互いに写像できるようにする(つまり,JavaScriptをタグを使って書けるようにする(笑))と,HTMLのタグの処理をJavaScriptで定義できるようになって面白いかもしれない(単なる思いつきだが).
  • HTML 5.0では,局所的な情報保存が強化される(SQLが使えるのはSQLデータベースを組み込むということか?オーバースペックな気もするが).これで気になるのはプライバシーへの配慮で,現在はそのようなデータはすべてサーバ側に蓄積し,それによってプライバシー侵害を起こしかねないレベルのデータマイニングもできないわけではない.しかし,局所的に情報が持てるようになると,「プライバシーに関する情報はできる限り外に出さないことを保証しろ!」とか,言われるようになるかもしれない.
  • App EngineのJava対応に時間を掛かったのは,G社の流儀をJavaの世界に持ち込まず,すでにJavaの世界に存在するものにG社の技術をマップしていたからのようである.つまり,App Engineでは,従来のサーブレットに近い記述が可能なのだ.これは面白い.
  • ただし,大きく異なるのは,RDBを完全否定していることである.この理由はRDBはスケールしないからで,データを非正規化すれば同等の記述が可能と主張している.実際私はSQLを使ったことがないのだが,非正規化は可読性や保守性の低下を招くので両刃の剣だ.でも,大規模分散環境を前提したら,非正規化によるプログラマ側のちょっとした実行制御が実行コストを大幅に引き下げるのも真実だろう.スパコンの世界でついにベクトル計算機の敗退が決定したように,RDBの負けが確定するような時代が近い将来来るのかもしれない.
  • GDDフォンを開けた後は,セッションを聞くのにまったく身が入らなかった(爆)