某研究会一日目

和歌山の郊外にある施設で研究会.内部は非常にきれいで,図書館,売店,珈琲ショップ,レストランもあるし,設備も整っている.問題は,車以外の交通の便が非常に悪いことで,バスは一時間一本あるかないか.K原准教授に空港で会ってレンタカーに乗せてもらったおかげで助かった.しかも,周囲にホテルがないので,かなり遠くに行かないと宿泊すらできない.また,近くから車で来るのも大変のようで,T海助教は工事渋滞に巻き込まれてセッションに遅れてきた(ただ,道幅を広くするための工事で,今後はこの問題は解消されるだろう).
招待講演は元I?OTのT教授.知識処理システムの発展について紹介しながら,知識処理システムはどのようなものであるべきか?という将来像について語ってくれた.最近の研究の技能継承紹介では,認知と感覚の分離は困難とか,身体知は人によって違うとか,サブリミナル効果を使うことで人間が短期記憶でどのようにインデックスを作っているか調べるという点が興味深い.なお,今後は「利己的な推論」を実現すべきだという話で,Web情報はたいていは矛盾していて,あるコンテキストに基づくと有益な知識,無害な知識,(推論を阻害する)有害な知識の3種類に分割できるらしく,非常に興味深い.
発表件数は少ないが,なかなか内容は面白い.しかし,私が座長を引き受けたセッションのプログラムはどちらも数学的な内容で一瞬血の気が引いた(爆)が,非常に門外漢にもわかりやすい説明で面白かった.やさしく説明できるということは,それだけ明快な自分の研究のイメージを持っているということなのだろう.