某研究会一日目

某研究会の幹事としての最後のお勤め.一日目はゲーム,市場,招待講演,どれもシミュレーション系.参加者もレベルが高い人が多く,ゲームのシミュレーションは実データに基づかないのに論理的にしっかりしていると感じていたが,過去の研究成果がきっちりまとめられており,それをしっかり理解した上で議論・研究しているからのようだ.逆に,それらの予備知識がない私のような人間は,議論の本質を理解することは難しいようだ.
招待講演は,O浦准教授の集団におけるサンクション(罰則)の効果について.実は一番面白かったのは,その後の懇親会の議論だった.たとえば,査読をなかなかやらない先生がいて,催促すると返事は良いものの,それでも仕事をやらない(爆…その時査読されていたのは私の論文のようだ(爆))O浦先生によると,これは実は最適戦略らしい(笑)そして,そのような不心得者が出ないようにするために重要なのがサンクションなのだ.
ただし,たとえば最近の学生は打たれ弱いので,怒るとすぐ学校に来なくなったりする.そこで重要なのは「ランダムに怒ること」で,ある程度は寛容に対処するが,時々予測不可能な状況で怒ると,相手側へのダメージは低減した状態でも,より良い効果が得られるらしい.他にも,妻の怒りの爆発の制御とか,実例に対する論理的な解釈をいろいろ聞かせて頂いた.なぜこんなにうまく説明できるのかと思ったら,K都大学の霊長類研究所出身の(数理)社会学者というバックグラウンドにあるようだ.