iPad 3Gの謎

iPad 3GはSIMフリーという話だったので,b-mobile 3Gの手軽なプリペイドプランで利用しようと思っていた…が,ソフトバンクの発表によると,以下のようなアメリカ本国と比較すると,かなり残念な状況になってしまった.

  • iPad 3Gをオンライン購入できない.
  • 月額4,410円(1GB)という高額なプリペイドプラン.AT&Tは月額14.99ドル(約1380円・250MB),月額29.99ドル(約2770円・無制限)
  • 2年縛り・契約解除料ありの定額プラン.
  • さらにウェブ基本使用料315円が必要.
  • WiFi無料使用が24か月だけ.
  • SIMロックが掛かっているのに,本体割引なし.
  • 海外からの旅行者へのSIM販売はなし.

SIMロックというのは,販売奨励金で割引された携帯電話が早期転売されないための対策で,販売奨励金とペアの話のはずだが,以前は「SIMロックを外すと端末価格は4万円高くなる」と主張していた孫社長は,SIMロックを掛けたかわりに4万円割り引くことはなく(苦笑),「競合他社とは携帯電話サービスの競争条件が公平でなく、他社に「戦いの武器は渡せない」と話した。」という風に話をすり替え始めた.
「「武器渡せない」 孫社長、「iPad」SIMロックの理由を語る」ITmedia News)
iPadのSIMロックに思うこと本田雅一の週刊モバイル通信)
しかし,本当の理由はインフラ投資をサボり続けて来たつけが来てしまって,ネットワーク品質に大きな差が生じてしまったからだろう.現在,ソフトバンク網では頻繁に輻輳が発生しているようで,都心などの人口密度が高いところではかなりの低速で,場合によっては通信できない状態が長く続くことがある.以下の資料でわかるように,他社の半分以下の平均通信速度なので,通信データ量が多いデバイスで他社と目に見える形で比較されたら,一気に顧客が離れて行くだろう.
立ち読み「ケータイ白書2010」(プレゼント付き)〜ダウンロード速度は高速化が続く〜ケータイWatch
SIMロックの話は別にしても,私はiPhoneを主に屋外,iPadは主に屋内(飲食店や電車)で使うことになるだろうから,3G回線の使用時間はそれほど多くはないだろうし,個人的には毎年買い換えるデジタルデバイスに二年契約したくないので,ソフトバンクには格安のプリペイド・定額プランを期待したのだが,非常に残念だ.
なお,その後Steve Jobsが"Actually, the version of iPad sold in Japan does accept international SIMs."と発言したという噂が出て来て,また情報が混乱している.
"Steve Jobs Says iPad in Japan Not Really SIM Locked" (Mobile in Japan)
これから考えられる結果は次の三種類だ.

  1. 実はSIMフリーb-mobileの千田社長はこのように考えているようだ)
  2. 国内キャリアに対してだけSIMロック(国内で発売されているPocket WiFiがこのような仕様らしい)
  3. 国内・国外共にSIMロック

アップル本社内部でも,今回のSIMロックの話はまったく流れていなかったようで,未だにどれが真実なのかわからない.しばらくb-mobile 3Gを使おうかなと思っていたので,1でなければ輸入したいんだけど….
なお,法律が改正されて,技適マークをソフト的に表示すれば海外の通信デバイスが使えるようになった.孫社長が邪魔しませんように(苦笑)
追記:
以下の記事によると,2でほぼ確定のようである.
「iPadは国内限定SIMロックで確定」iPhone 3G Wiki blog)
iPadを輸入するとAT&Tの定額のmicro SIM(しかも次期iPhoneでも利用できる?)も入手できるわけだし,悪くないかもなあ.