日本酒を25年後に呑むためには

途中で若い常連が来て,最初は買ったばかりというiPhoneの話をしていたのだが,そのうち「25年ローンを組むことにしたので,ローンの支払いが終わった時にお祝いするお酒を一本買いたいので,よろしくお願いします」と凄い本題を切り出して来た.燗酒おやぢ様によると,「自分の子供のバースデー醸造年度のお酒を成人式・結婚式で呑みたい」という要望はたまにあるらしい.せっかくなので,そこで話された話を覚えている限りまとめてみようと思う.

  1. 酒質を選ぶ.一般に日本酒が熟成で旨くなると言っても25年後は簡単なことではなく,甘くなってしまったり,紹興酒のような風味になってしまうことがある.25年後でも日本酒らしい風味が残っているような,しっかりした酒質のお酒を選ぶ必要がある.
  2. 温度管理に注意する.冷蔵保存でなくても,家の中の温度変化が少ない冷暗所を探して保存すればよい.中国の紹興酒や沖縄の泡盛でおこなわれているように,地中に埋めるのもよい(目印を忘れずに(笑)).
  3. サイズを選ぶ.一般的に一升瓶の方が温度変動が少なく,経年変化がゆっくり進むので適している.ただし,四合瓶を沢山購入して,何人かに配る,成人式と結婚式の二回に分けて開栓する,途中で味見して熟成の進行状況をチェックする,などもよい.
  4. 蓋を選ぶ.内側に金色のアルミ箔が使われている蓋は,長期間保存だと経年劣化で瓶中に落下することがある.なるべく使っていない蓋がよい.
  5. しっかり梱包する.運送用の段ボール箱や梱包材を活用して,破損・紫外線対策と温度変化を少なくすることを考える.もし入手できるなら,発泡スチロール製の専用箱がいいかもしれない.
  6. 思い出の品を入れてみよう.25年後なら,それはもうタイムカプセルである.今の気持ちを書いた手紙,自分や家族の写真などを一緒に入れてみるとよいだろう.

それにしても,なかなか夢のある素敵な話だと思う.