奥野田ヴィンヤード倶楽部(奥野田葡萄酒醸造株式会社・甲州市塩山牛奥)
朝早く起きて山梨県に.なお,常に期待を裏切らない楽しい女のGちゃんは,爆睡して待ち合わせ駅を乗り過ごしてくれた!
今回の奥野田ヴィンヤード倶楽部は,日灼圃場で葡萄の傘紙掛け作業.
事前に「この時期の日中の作業は大変厳しいです。水分補給をこまめに行う様心がけてください。」という連絡が来ていたので,ミネラルウォーター1.5l,着替え一揃い,タオル2枚と完璧な装備をしていた…のに,現地に到着したら今にも雨が降りだしそうな曇天(爆)誰か雨男・雨女がいるのでは?と噂になっていたが,炎天下で作業しなくて済むので,それはそれでわるくない(爆)
前日の雨で濡れた畑が乾くまで,今年度の畑の状況について座講.
- 今年は新梢の徒長が目だつ.2010年は悪い年だったので残留養分が少なくて2011年はちょうどよかったのだが,2011年の残留養分が多すぎたのかもしれない.
- 今年は,すでにべと病やハイカビ病も見つかっているが,それほど多くはない.
- すでに奥野田ワイナリーで化学農薬を使用してよいと考えられる時期は過ぎた.これからは,ボルドー・ミックスチャーのようなものだけしか使用しない.
- ハイカビ病を予防するために,今年はバチルス属(納豆菌のような枯草菌の一種)を散布してみた.ハイカビ=貴腐菌なので,ワイン用の葡萄にとっては必ずしも悪くことばかりではないのだが,周囲の生食用の葡萄が出荷できなくなるという問題があるので避けねばならない.ちなみに,散布しても納豆の匂いはしない(爆)
- 奥野田ワイナリーでは,4年前から傘紙掛けを実施している.これは日本生まれの技術で,最近は海外でも注目されつつある.
- 傘紙掛けは梅雨の後に行う.
- 紙の裏表があるが,ロウでコーティングされた滑らかな面を内側にする.これは,風が吹いた時に葡萄を傷つけないため.
- 正方形の傘紙には中心部まで切れ目が入っていて,葡萄の実を持ち上げて,その茎の根元に下から差し込み,一旦両方を交差させて角を合わせて,次にさらに交差させてからホッチキスで上側になった紙の端の中間を留める.
- 下手に掛けると葡萄の周囲の温度が上がり,病気になりやすくなるので注意する.
- 掛け忘れがないように,奥の葡萄から掛ける.また,垣根の反対側の葡萄はそちらに回った方が掛けやすいので,二人で組んで互いに声を掛けながら作業する.
- 二番房と呼ばれる5〜6粒以下の小さな葡萄の房には傘紙は掛けない.
- 茎の周囲から雨漏りしないように,しっかり密着させて欲しい.
- ワイン用は傘紙だが,生食用は袋を用いる.この理由は,生食用は水分の蒸発を防ぎジューシーな実にするが,ワイン用はできる限り水分を蒸発させて土中のミネラル分を吸い出させるから.
- 使用した傘紙を集計して,今年度の生産量を予測する.
その後,傘紙掛け作業を開始.まず自分の葡萄の樹に行くと,次のように大きく成長していた.
さらに,樹の下部を見ると,すでに葡萄は結実していた.
傘紙掛け作業後は,次のようになる.
自分の樹が終わった後は他の樹で作業を続ける.普段は8,000〜10,000枚が目標らしいが,残念ながら昼から雨が降って来たので5,000枚程度で終わってしまった.もっとやりたかったなあ….
なお,今日のランチは以下の通り.
- お弁当
- 自家製野菜のマリネ
その後注文していたTシャツと美味しかったヴィンテージ・ブリュットを購入.なお,この日は夕方から一夜限りの奥野田ワインガーデンが開催されるのだが,健康診断を控えているので,残念ながら参加せずに早めに帰る.