ベルヴィル・ランデブー

本当はシャーク・テイルでも見ようと思っていたのだが,街中のポスターに惹かれて,この映画にしてしまった.

老婆が主人公の映画という点では「ハウルの動く城」を思わせるが,まったく対極的な映画.グロテスクなほどまでにカリカチュアライズされたキャラクター,露悪趣味の映像のために,アニメでも子供には向かないかもしれない.しかし,フランスの香りがする独創的なストーリーで,ほとんど台詞がないにもかかわらず,明確に意思が伝わってくる.孫のことを一心に考えて大活躍するおばあちゃんには,日本人なら誰でも共感するのではないだろうか.ヨーロッパ映画のテイストが好きならば,これはお勧め.

ところで,冒頭のシーンでいきなりジプシー・ジャズ・ギターが流れてきて,その時の画面のギタリストは薬指と小指を使わないで超絶技巧を披露している…あとからパンフレットを確認したら,やはりジャンゴのつもりらしい!しかも,題名のBellevilleという単語も彼の曲から取っているそうだ.曲に合わせてタップを踏んでいるのは,予想通りフレッド・アステア.他に有名人を元にしたキャラクターが沢山出ているようだが,教養がなくて全部はわかりません(泣)

最後に,パンフレットが紙芝居風で本当に素敵.