物の大切さ
来年度は大幅な共通費の削減があるにもかかわらず,上から物を捨てろとか,勝手に捨てるぞとか,うるさいほど言われる.K本氏と,Sunのディスクのマウント金具を見ながら,「これが無いといざという時に困るんだよね」,「でも,あなたのグループは物をどんどん買って,どんどん捨ててるんだから,万が一困ったら新しく買えばいいんじゃない?」という話をしていた.
私も,ついに物を整理しはじめた.まだまだ問題なく使える4台の液晶ディスプレイを廃棄することを決めた時には,もったいなくて涙が出そうになったが,なにしろ物を捨てろ,場所を明け渡せというのが上からの至上命令なんだから仕方がない.工具も計測器もPCも,とにかく何でも捨てられていく.
G社に転職したやりくり上手・自作マニアのH田氏なんて,今の状況を見たら卒倒するに違いない.今までの,研究に必要などんな事態にもつねにすぐ対処できるように,道具や部品を整理しておくという文化は,常識として通用しなくなってしまった.
なぜ,こんな馬鹿なことになっているかというと,次のような理由からではないか?
- 新しい物を創り出そうとする努力を放棄したなら,確かに起こりえる事態は容易に予測可能なので,何でもできるような準備は不用だ.
- 研究をしなければ,大量の書籍や論文は不要になり,単に事務書類を置くだけのスペースがあればいい.
- ほとんどの仕事をメーカーに丸投げしていたら,自分でハードを開発したり,研究用システムを構築するために必要な工具,部品,計測器などは確かに不要になる.
- 研究所と言いつつ,やっているのがメーカー管理だけなら,PCとオフィスだけで仕事が可能.何もないきれいなオフィスが最高!なんて勘違いも,ついしたくなるかも.
- 予算を使えば使うほど偉くなるが,決してその仕事でペイするなんて考える必要がないのだから,無駄なお金をどんどん使いたくなるのは当然か.
ちなみに,最近はみんなあきれて,A級戦犯のM山氏の文句を言わなくなった.しかし,あいつがもし自分の転職先に来ようとしたら,それだけは全力で阻止しようと堅く心に決めている(笑)