タイヨウのうた(渋谷アミューズCQN)
食事が終わった時点で16:00過ぎで,もう会社に帰るには遅いので,前から気になっていたこの映画を見る.
この映画は,最初は塚本高史が出演するということで知り,次は新星堂で偶然視聴して気に入った次の歌で知った.
- アーティスト: YUI for 雨音薫,YUI,Akihisa Matsuura,Hideyuki“Daichi”Suzuki
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 2006/06/14
- メディア: CD
- クリック: 75回
- この商品を含むブログ (179件) を見る
いや,凄い映画だった.XP(色素性乾皮症)のために夜に活動する少女という設定のために,きれいな夕焼け,夜の柔らかい光,朝の希望の光の中でほとんどの物語が進み,逆に眩しい光の中の昼間の世界は夢であるかのように表現され,それが独自の世界を作っている.
主人公の雨音薫のYUIは映画の役柄と同じで筋金入りの路上ミュージシャンであり,彼女の歌は本物である.単なる見かけのかわいさに惑わされてはいけない.彼女が一旦ギターを弾き,歌い出した時の圧倒的な存在感に並ぶ者など同世代にはいないだろう.もちろん単なる演技力では若手女優には及ばないかもしれないが,音楽で培った表現力でカバーする点は女優としては異質だ.この映画の良さは,彼女が雨音薫として悩みながら歌っていく(=生きていく)ことにあると言えるかもしれない.複雑な和音で築かれた深みがある響きのアコースティックギター(フェンダー?)の音色に絡む彼女の歌は,本当に素晴らしい.特に前半部の生ギターの弾き語りは必見であろう.
そのために,この映画の盛り上がりは普通の映画のように最後にはなく(だってギターを弾かない・歌わないんだもん),実際薫の死はあっけないほど簡単に語られてしまう.実際に,号泣している人も少ないようだった.これは,彼女が残した音楽が,両親への愛,友人への友情,そして恋人への恋心をポジティブに語るものだからかもしれない.音楽好きは,ぜひ一度この映画を見て欲しい.
TVドラマ版では,雨音薫は沢尻エリカが演じていて,一回目はびっくりするくらいよかった(山田孝之はいつものようなワンパターンの演技なのだが…).しかし,音楽のシーンになると,突然嘘くささを感じてしまうのが一番の問題であろう.
http://www.tbs.co.jp/taiyounouta/
なお,帰りにフラガール(常磐ハワイアンセンターの物語,音楽はなんとジェイク・シマブクロ)の前売り券を購入.