enchantMOON到着!(株式会社ユビキタスエンターテインメント

あまりに納期が長引きすぎて,手持ちに到着する前にまともになっちゃうのでは?と心配していたが,ついにenchantMOONが到着!開梱すると,期待に違わず箱が壊れていて中で本体ががたついていた(下部の仕切りに注意)ので少し心配していたが,とりあえずハード的には問題はなくて安心した.不良率が高いと言われるハンドル部分もそれなりに使えるようなので一安心.

現在は,以下のように職場の机の横に置いてメモ書きして,Evernoteに送信して再利用するという単純な使い方を想定している.

なお,すぐ修正して欲しい点は以下の3点である.

  1. スクリーンセーバを無効にすること.簡単にスクリーンロック・アンロックできるのに,さらにスクリーンセーバも解除しなければいけないのは単なる無駄だ.そもそも,スクリーンセーバがあるタブレットなんて初めて(爆)
  2. 画面の反転(白バック)をデフォルトにできるようにして欲しい.ブラックだと画面ロックを解除されたのがわからないからスクリーンセーバを動かしているのかもしれないが,白バックにすれば一目瞭然のはず.
  3. 指で囲った部分をまとめて消去できるようにして欲しい.ラベルの削除は可能なので,そちらの方が自然なはず.

なお,机の上で動かないように,本体下部の両角に次のような小さなゴムを付けてみたら,なかなか具合が良い.同じような使い方をする人にはお勧めしたい.

さて,不具合についてはすでにいろいろ報告されているが,着実に改良されているものの,まだ及第点には到底達しないというのが正直なところだ.簡単な感想は以下の通り.

  • 書き味に関して,Galaxy Note IIのSノート,iPadのPenultimate,EnchantMOONと比較すると,90点,60点(若干遅れあり,パームリジェクションなし),30〜70点(明らかな遅れあり,描画の一時停止あり,初期の取りこぼしあり,パームリジェクションが不完全)というところである.
  • 書き味に関して30〜70点と書いたのは,状況によってまったく使用感が違うからである.それがenchantMOONアーキテクチャによるものではないかと思う.enchantMOONは,次のようにユーザインタフェースプログラムはDalvik VMJava VM)とEagle(JavaScript VM)上で動く.現在(たぶんデバイスドライバとして実装されていると思われる)ペンのセンシングは高速化したようだが,(特にコマンド入力時に)遅れる・一時停止するとか,MOONBlockが使用に耐えないほど劇遅いのは,VM上で動かすというそもそも不利なアーテクチャの上に,チューニングがうまくいっていないからではないかと思う.VMを使った言語を用いた開発の一番の落とし穴は,リソースが潤沢で高度なチューニングがおこなわれているPC上で開発したものを,そのままリソースが制約されるモバイルデバイスに移してしまって使い物にならないことだが,たぶんこれをやっちゃったと思う.これを,どの程度まで高速化できるかが一つの鍵で,ダメなら特にボトルネックになっている部分や重要な部分をネイティブ化するしかないかもしれない.

http://av.watch.impress.co.jp/img/avw/docs/580/495/rt30.png

  • もう一つの関連した問題は,そもそもパフォーマンス的に不利なColumbiaの実装が非効率で,さらに余計な作業をしすぎているからだろう.普通に手書きしている場合はまだそれなりに使えるのだが,コマンドを入力する時には明らかな取りこぼしや劇的な速度低下が起こる.また,ラベルを貼付けたりした場合も同様だ.Columbiaは大幅な最適化(だけで不十分なら機能削減)が必要で,それが実現できれば,かなり使用感が変わるのではないだろうか.

ただし,Evernoteと同期できる手書きデバイスというのはなかなかよい考えだと思うので,頑張って頂きたい.9月に行われるアップデートを,とても楽しみにしている.