鉄人28号

まったく期待しないで…というより,デビルマンに継ぐDQN作か?と思って行った.それでも,なぜわざわざ見に行ったのか?というと,蒼井優様の最新作だからだ(笑).

ストーリーは古典的で退屈だが,それはわざわざ狙っているだろうから,仕方なかろう.しかし,スクリーンの中の陰と光の対比が素晴らしかった.また,本来戦後直後の設定の作品なのに,それを違和感がないようにするための努力がうまくいっていた.金田正太郎の父親の遺品の中のLPがウェス・モンゴメリーだったところからすると,美術は結構こだわっていたのかもしれない.CGも比較的自然だったが,スウィングガールズのLPが転がるシーンも松本肇のようだ.

俳優は豪華絢爛.ちょい役でも,小学校の先生が西田尚美,TVのキャスターが田中麗奈,風鈴売りが妻夫木聡,そして敵ロボットのブラックオックスの声が林原めぐみ(残念ながら,どんな声だったのか記憶にない)なのだ.ただ,大塚課長(最初は署長だったのに,リメイクされるたびに降格されているらしい(笑))役の柄本明はちょっとイメージに合っていなかった.

で,肝心の蒼井優様は?…というと,もちろんかわいく,美少女なのだが,彼女の良さが十分引き出されているとは言いにくかった.彼女には,どうしても単なる美少女以上のものを期待してしまうので,こういう単純なストーリーよりも,もっと複雑な心理状況を演じるのが合っているのかもしれない.次の「亀は意外と速く泳ぐ」に期待したい.

なお,一番最後にちゃんとおなじみの歌がある.今でもこの歌を聴くと血湧き肉躍るね.