Shall we Dance?

ちょっとだけ一息ついたので,夜にハリウッド版.
予告編でびっくりしたのは,「まさかここまで…」というくらいオリジナルに似たキャスト.実際にリチャード・ギア役所広司同様にしょぼくれた中年男だが,こちらは弁護士で,最後が彼らしくちょっと格好良すぎる点だけが難(笑)リサ・アン・ウォルターは,声まで渡辺えり子に似ている気がする.

ただし,同じ脚本でありながら,夫婦愛に重点を置いて,妻の配役にアカデミー主演女優賞のスーザン・サランドンを持ってきた点,「ダンス」が日本よりも生活になじみ深い点(選曲もかなり現代的)で,出来上がりは別物と考えてもらっていい.深みや感動という点では,複数の人間の人生が絡み合い悩むさまを丁寧に描いたオリジナルだが,そこは文化の違いか.

注目すべきは,ジェニファー・ロペススタンリー・トゥッチジェニファー・ロペスムーンリバーで踊るワルツも,暗がりで踊る情熱的なタンゴも,これだけでも一見の価値あり.あと,「ターミナル」でビクターと敵対した警備局主任を演じたスタンリー・トゥッチが,竹中直人の役を演じている(当然,カツラもあり(笑))のだが,これがものすごいいい味を出している.

最後に,この映画の冒頭の列車からダンス教室の美女を見上げるシーンも忠実に再現されているが,車文化のアメリカでそのような場所は少ないらしく,シカゴという設定になったらしい.ただし,このセットを再現したのは,カナダのウィニペグ.オリジナルでこのように描かれた背景には,当時はまだダンス教室は風営法の適用を受けていたために,必然的に駅前に集まっていた事情もあったとか.