査読

条件付き採録にした論文の回答書を見た…が,ひ,ひどい.

査読報告書で論文として足りない部分を指摘しておいたが,少し手が掛かる修正は無視するか,その部分がなかったものにされている.こう書いたら落とすけど,こう書いたら通すよと書いておいても,わざわざ落とす書き方をしている.

私は,論文は査読者と一緒に作り上げるものだと思っているので,出来る限り落とさずに直させるようにしているのだが,さすがに今回は負けた.唯一の救いは,もう一人の査読者が最初から不採録にしていたことか.

大学生に論理的な思考や分析ができるように訓練することは結構難しいんだろうなあ.さらに研究とはどのように進めるものかを教えるのは不可能に近いのかもしれない…つまり,できる人は最悪一人でもできるけど,できない人は決してできないのではないか.

たとえば,上司に言われたことしかやらない,流行を追いすぎて一つの研究を深めることができない,常に安易な方向に逃げる,木を見ても森は見ない,批判するだけで自分でやろうとしないという人達は,研究には向かないが,これは能力ではなく,性格の問題だろう.性格は変えられない.