時をかける少女(テアトル新宿)

ゲド戦記と対照的に評判が非常に良い「時をかける少女」を見に行った.朝一番に行けば空いているかと思いきや,20分以上前についたのに,すでにほぼ満員.一番後ろに座布団が置いてある映画館なんて,初めて見た(笑)

絵はイマイチで技術も並なようだが,これは暖かみを出すためと,頻繁なタイムリープによってストーリーが理解しにくくなるのを意図的に避けるためか?頻繁なタイムリープの繰り返しの中で,主人公の紺野真琴の心がどんどん変わっていく脚本や構成は非常にうまい.

あと配役は全体的に良いが,特に印象的なのはやはり芳山和子.原作「時をかける少女」の主人公の数十年後という設定だが,その設定も絶妙だし,原沙知絵の声も良い.

ものすごい名作というわけではないが,なかなか面白い作品.

ただし,真琴が男友達の真摯な気持ちを正面から受け止めずにタイムリープでごまかし続けた自分を「最低」と言っていたが,それは男性的な考えではないか?つまり,実際に友人以上恋人未満のあいまいな関係をいつまでも続けようとして正面から向き合うことを避ける女性がいるが,映画のようにタイムリープを使えなければ,最後にすべてを失うし,さらに一旦壊した後で再び取り戻そうとしても非常に難しい.この時に,ふりまわされた男性はその行為を最低と思うだろうが,女性は精神的に未成熟だったと思っても,最低とは思わないだろう.