酒井家のしあわせ(渋谷・アミューズCQN)

予告編を見て気になっていた映画で,散髪の後に見に行ってみた.

映画は家族をさりげなく描いた作品で,普通の映画ならクライマックスとして描くようなシーンの前に潔く終わっているところに,監督・脚本の呉美保の強い意思が感じられる.なお,音楽は家族映画っぽくはないのだが,なかなか良い.

母親役が友近で,濱田マリも子供の友達の母親役を演じているが,これが非常にはまり役.どちらも,一見生活に流されているようでも,実は精神的に強くてしっかりしている女性を見事に演じている.子供役の森田直幸も子供の微妙な心理を見事に表現している.なお本上まなみの先生役は本筋にはあまり関係ないのだが,見ているだけで明るくなる存在感のある良い演技だった.

派手ではないが,しっとりしていて心が温かくなる作品だと思う.