T巻氏宅訪問

光栄なことに,T巻氏に自宅に飲みに来ないと誘われて,二つ返事で喜んで行ってきた.集まったのは,T巻氏夫妻+子供に,S井氏,私,そして?iftyの酒フォーラムの知恵袋だったというS氏夫妻+子供*2.

一品は元東北泉の佐々木勝雄杜氏が移った蔵であり,特に山廃は千両男山の辻村勝俊杜氏に山廃造りを教わって醸した酒らしい.どちらも比較的きれいな酒質でありながら,ちゃんと米の旨味がありよい.山廃はお燗がよかった.

臥龍梅は私が持って行った酒であり,山田穂と共に山田錦の元になった短稈渡舟という米をがんばって復活させて,今年始めて出荷したものである.これも柔らかくやさしい酒であった…あっ,これもお燗すれば味が膨らんでよかったかも….たぶん,お酒を飲み慣れない人にもおいしいと言って貰えると思う.

なお,以前に井のなかで飲ませて貰った白瀑の「ど」もあり,さらにT巻氏が試飲して買ってきたという純米吟醸も飲ませて貰うが,これも結構よい…白瀑は昔何度か飲んだ時には一見淡麗に仕上げているようでも,なんとなく臭みが残るような感じで好きではなかったのだが,今は味が全然違う.T巻氏曰く,これは古内茂美杜氏に変わったからとのこと.この調子では,今後の動向が見逃せない蔵であろう.

他もうまい酒ばかりだったが,相当飲んだので記憶がかなり怪しい(笑)が,一号酵母で仕上げられた櫻正宗が,比較的古典的な日本酒の面影をしっかり保っており面白かった…もちろん,これがいいのは燗である.

S氏は何本か持ってきた中で,ラベルを貼っていない一升瓶(ラベルは別にあったのだが,よく見るのを忘れてしまった…)があった.「しばらく放置したからねえ…」と言っていたが,良い意味の吟醸らしさがあり,特に劣化などは感じさせなかった…しっかり造られた良い酒はそんなにすぐ劣化するものではないからだろう.

なお,T巻氏には,おみやげとして春うさぎを頂いた.翌日にふと思い立ってパスタを合わせてみたのだが,これは柑橘系を思わせるような爽やかな酸味があり,それがなかなか良いマッチングを見せており,意外な発見だった.

さて,食事の方は,冷や奴(イカの塩辛乗せ),本ししゃも,鶏のトマト煮,ポトフ,馬刺,王子・扇屋の卵焼き,秋刀魚の丸干焼,海老とツナのサラダ,クラッカーとクリームチーズ,春雨と白葱の鍋に,デザートとしてブンタンとお菓子など.

他に,T巻氏が入手した古道具でししゃもを焼いたり,S井氏が持ってきたマイコンお燗器でお燗しまくったり,T巻氏の持っているいろいろな酒器のコレクションを実際に使わせて貰ったり,非常に有意義な時間を過ごさせて貰った.なお,子供達とも楽しく遊ばせてもらった.

  • 一品 山廃純米吟醸 山田錦(50%) 製造年月2007年1月(茨城・吉久保酒造株式会社)
  • 一品 純米吟醸無濾過生原酒 山田錦(50%) 製造年月2007年2月(茨城・吉久保酒造株式会社)
  • 臥龍梅 純米吟醸袋吊り雫酒 滋賀県産短稈渡舟(55%) 製造年月2007年2月(静岡・三和酒造株式会社)
  • 白瀑 ど 純米にごり生酒 でわひかり(65%) 秋田純米酵母 製造年月19年1月(秋田・山本合名会社)
  • 白瀑 純米吟醸 木槽搾り中取り原酒生酒 酒こまち(50%) 協会14号 製造年月19年1月(秋田・山本合名会社)
  • 廣喜(ひろき) 南部初雪 純米にごり活性生原酒(60%) 製造年月19年1月(岩手・廣田酒造店)
  • 悦凱陣 手作り純米酒 無濾過生 平成17酒造年度仕込第28号 オオセト(60%) 熊本9号 製造年月18年07月(香川・有限会社丸尾本店)
  • 櫻正宗 純米酒(生もと造り) 焼稀(やきま) 吉川産山田錦(80%) 製造年月18年12月(兵庫・櫻正宗株式会社)
  • 爛漫 無濾過吟醸袋取り 美山錦(55%) 製造年月2006年12月(秋田・秋田銘醸株式会社)
  • 秩父錦 甕口酒 長野美山錦(60%) 製造年月19年1月(埼玉・株式会社矢尾本店)
  • 福乃友 春うさぎ 純米吟醸にごり生酒 美山錦(55%) 協会9号(秋田・福乃友酒造株式会社)
  • 鳥海誉(ちょうかいほまれ) 大吟醸古酒 山田錦(45%) 秋田流花酵母 H16BY? 製造年月19年1月(秋田・株式会社佐藤酒造店)
  • 小林 純米吟醸 (栃木・小林酒造株式会社)

こんなに飲んで最後はどうなったかというと,前日も8合飲んだというS井氏は,さすがにダウン寸前で途中で帰って行った.私は駅までの帰り道はS氏夫妻の子供達と一緒だったこともあり,しっかりしていた(と自分で思っているだけかも…)が,真っ直ぐ帰ったのに,21時過ぎにようやく自宅に帰り着く(謎).