善き人のためのソナタ(渋谷・シネマライズ)

映画館で予告編を見て気になっていたが,アカデミー賞外国語映画賞も取ったので見に行ってみた.

非常に重いテーマであるが,淡々と押さえた表現でわかりやすく描かれており,期待に違わずテーマ,シナリオ,俳優,音楽,すべてが素晴らしかった.特に国家保安省シュタージのヴィースラー大尉役を演じたウルリッヒ・ミューエの演技が良く,心の中のさまざまな葛藤を繊細に表現しているので,言動や表情に気をつけてみるべし.なお,実際には彼は逆にシュタージに長年監視されていただけでなく,自分の妻にも十数年間も密告されつづけていたという経験をもっており,それが演技に生きたのではないかと思う.お薦め.

ただし,この映画館の設計が良くないようで,曲面スクリーンを下から見上げる形で見るので画像はゆがむし,座席や周囲の空間も狭く,非常に疲れてしまった.Yahoo! Japan映画の映画館レビューを見ても,あまり評判が良くないので,別の映画館で見たほうがよいと思う.