某研究会二日目
インド料理店ナマスカで研究会の幹事会.
我が研究会は今年は盛況で,毎回結構沢山の発表者・参加者がある.し・か・し,学会的には発表者の人数が多すぎると予稿集の出費が嵩むのでまずく,目をつけられているらしく,その理由を説明してもらう.理論的には,参加者が多い=予算が楽になるという仕組みにもできそうに思っているが,そういう提案をしても他の人に却下されてしまうらしい…苦悩.
主査のK原助教授は,研究会の最後に別の学会の夏のワークショップの宣伝(笑)休憩時間に主査とプログラム委員で話していたが,招待講演者も結構呼ぶつもりで,面白くなりそうである.
なお,今回はマルチエージェントシミュレーション系の話が多かったが,社会ネットワークとの組み合わせて現実世界の密接な分析をおこなったものに面白いものがあった.特に,T海助手のところの学生の発表した,なぜ学校でいじめが起こるのか?という研究では,シミュレーションで,評価範囲が狭いorえこひいきする教師のクラスでは起こりやすく,生徒を多角的に評価し,誉めて育てる教師のクラスでは起こりにくいことを示したらしい.まあ,まだ研究には相当議論の余地があり,実際にいじめが起こるかどうかには,層転移が起こるかなど,もっと複雑な条件が絡みそうなのだが,これって,日本式成果主義を採用して,パワハラが横行したら,優秀な人間がごっそり辞めちゃった(苦笑)とか,ゆとり教育・差別廃止とか言ってまともに子供を評価しなくなったら,学力が低くなって非行も蔓延したとか,実際の世の中の現象を簡単に説明できるんじゃないの?個人の取る方針が,全体の利益と矛盾することをジレンマと呼ぶが,組織が「一見」良さそうに思える方針を取ったけど,実は全体のレベルを低下させてしまったというのもジレンマなのかもしれないが,簡単なシミュレーションで,これらの一見まともっぽい管理職や政治家や官僚や評論家の発言の根本的な誤りを,目に見える形で示せたら有意義かもしれないと思う.
なお,I井教授とT海助手の担当する学生とで,実際に比較対照実験をしよう!とK原助教授が言ったら苦笑していた(笑)まあ,大学に出て,性格が相当丸くなったらしいけど.