某ユーザー会

昔もユーザー会に相当する団体がなかったわけではなく,例えばJカンファレンスや,Jコンソーシアムがそれに相当していて,前者が開発者寄りで,後者が企業寄りの立場に立っていたのが特徴だったと思う.今回は,設立メンバーや協賛団体を見る限りでは,M山教授中心の企業寄りのクローズドな団体で,特にSOA関係の国内布教が活動の中心という印象を受けていた.スラドを見ても,まあそういう印象を受けていた人が多かったように感じている.

ところが,すでにすべてが決定した現在の段階になって,既存の団体に参加・協賛を打診していると聞いてびっくりした.そこで設立趣意書を見ると,なんと「コミュニティのコミュニティ」と位置付けているらしい.しかし,他の団体もいきなりクローズドな何も実績がない団体から「あなたの上部団体を作ったので,参加・協賛してください」という風に言われても,さすがに困るのではないかと思う.参加したとしても,議決権もないのに,勝手に議事進行されたら,団体の自主性に影響するわけだし.

まあ,今更の話だが,もしオープンなコミュニティのコミュニティとして活動したいのなら,すでにシナリオが全部決まった総会を開催するところから始めずに,一度さまざまな団体に声を掛けて集めて話し合う場を作るところからスタートした方がよかったのではないかと思う.しかし,あまり開発者の側に立ちすぎると,今度は企業の利益と反する点があるので,このようなバックに企業がしっかりついている団体では難しい点もあるのかもしれないけど.

少なくとも,今からでもできる最善の手は,各団体にいきなり「参加・協賛しろ」と言わずに,まず中心人物を招待して,話を聞いてもらってから,互いに細かい点を話し合う時間を作ることから始めることだと思う.やはり,あれは相当イメージが悪いよ.