SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ(バウスシアター・吉祥寺)

隣で上映しているエヴァンゲリオンの客の多さにびっくりしながら,この映画を見る.これはマカロニウェスタンを元にしたもので,日本人俳優なのに台詞は英語で日本語字幕入り(なお,さらに日本語吹き替え版も存在するらしい),エンディングの曲は北島三郎という徹底的にひねくれた作り.
演技に関しては,とにかくコミカルな独裁者「平清盛」を演じる佐藤浩一,ニヒリズムをそのまま具現化したような「源義経」を演じた伊勢谷友介,とにかく体を張った名演を見せてくれた「静」を演じる木村佳乃,卑屈な男をコミカルに演じた「保安官」の香川照之,不思議なガンマン「ピリンゴ」を演じたクエンティン・タランティーノ,かっこいい謎の女「ルリ子」を演じた桃井かおりは非常に素晴らしかった.ただ,そのような癖がある人物とは対照的に,主人公の「ガンマン」を演じた伊藤英明のようなまっとうな役柄は,相対的に地味になってしまったかもしれない.映画としてはその荒唐無稽ぶりが面白く,技術的にはしっかりしているものの,あまり人を感動させるという感じではないかもしれない.