評判検索?

T大のT内教授が「明日に向かってプログラめ!!」に登場した.話す内容はあいかわらず面白い…が,それはおいといて,最後に注目すべき部分がある.

知っていました? ある検索エンジンに「竹内郁雄」と入れると、関連検索で「変人 竹内郁雄」と出てくるんです。
竹: えっ、あ、ホントだ。

この「ある検索エンジン」はもちろんG社のことで,実際に関連検索では「受賞,変人」のような言葉が提示される.このように,固有名詞を入れたときに,関連検索機能でその評判や評価らしき情報が提示されることが多い.これは,検索履歴を分析して,多くの人から高頻度で使われているクエリを抽出して提示しているのだろう.
実際にエゴサーチ(人名を用いた検索)の例を示すと,沢尻エリカなら共起する言葉は「写真,噂,壁紙,ペプシ」,長澤まさみなら「バスト,壁紙,写真集」,伊勢谷友介は「広末涼子山本寛斎ユニクロ」(彼は山本寛斎の異母兄弟),宮藤官九郎なら「映画,wikipedia,ラジオ」,松尾スズキなら「ブログ,キャバレー,離婚」(「キャバレー」は彼が演出する舞台名)という具合だ.この中から「写真」や「壁紙」などの検索の絞込みに用いられている一般的な語を除けば,その人の評判や評価に関する言葉が提示されているのがわかるだろう.
中谷美紀の場合は少し面白く,「柴咲コウ,壁紙,ないものねだり」(最後の言葉は彼女の出版した書籍名)となる.なぜ,「柴咲コウ」?と思って,「中谷美紀 柴咲コウ」のリンクをクリックすると,さらに「姉妹,タイプ」などの言葉が提示され,どうも二人は非常に似ていて,姉妹という噂が流れていたらしいことがわかる.
これに対して団体名の場合には,企業なら関連団体名が,学会なら全国大会や論文のような主だった活動が表示されることが多い.ただ,NHKの場合には「受信料」が最初に表示されるので,さらにクリックすると「解約,金額,断り方,不払い」などの言葉が列挙され,NHKの傲慢さ・無謀さ・怠慢さに耐えかねた解約者が大量に生じた経緯を反映していると言える.
このように,関連検索に提示される言葉から,その人の評判,評価,注目ポイント,噂などが浮かび上がってくるので,みなさんも面白い例を見つけたら,こっそり教えて欲しい(笑)
ただ,以前から問題だと思っているのはネガティブな面である.今回の「変人」という言葉はT内教授だから笑い話で済むが,普通は非常に気になる言葉であろう.また,ある研究会の名前を入れると「問題点」と表示され,これはどのような意図で絞込みに使われたのかが不明でも,見た人にネガティブな印象を与えてしまう可能性がある.就職や転職(さらに恋愛や結婚も?(笑))などでエゴサーチが一般的に使われている昨今,関連検索でネガティブな言葉が表示されるとしたら,その人の人生に悪影響を与えてしまう可能性は高い.さらに,関連検索でネガティブな言葉が表示されるようにする悪質な攻撃も考えられるので,何らかの対策は考えたほうがよいのかもしれないし,すでにG社は考えているかもしれない.