築地魚河岸三代目(新宿ジョイシネマ)
好きなマンガ「築地魚河岸三代目」の映画化.ただし,脚本や設定は原作とは全然違う(爆)特に今回はシリーズ一回目で,単なる話の導入という位置づけもありストーリーはハチャメチャだが,それでもたのしく見せるのは,主人公の赤木旬太郎役の大沢たかお,明日香役の田中麗奈,英二役の伊原剛志,鏑木徳三郎役の伊藤四郎という主要な四人がしっかりしているから.特に大沢たかおは原作の主人公の明るく真面目だけど抜けている雰囲気を保っているし,田中麗奈は現代の等身大の女性を演じさせるとうまいと思う.次回からは本格的に築地の話になるので,原作の新宮秀一郎役を誰にするかが非常に重要だと思う.魚辰の店員はマギー,荒川良々,江口のりこという非常に癖がある人選で,面白いながらも,この個性的なメンバーでシリーズ化は結構冒険かもしれない(笑)大沢たかおと並んでよかったのは,「千秋」の女将の千秋役を演じる森口瑤子で,場面が「千秋」に切り替わるごとに彼女の笑顔とそのあたたかな雰囲気に癒されていた,彼女は笑顔が非常に魅力的な女優で,「やまとなでしこ」で一人だけ神野桜子を理解していた佐久間真理子役,「HERO」で巧妙に結婚詐欺をしていた料理研究家島野紗江子役,そして「時効警察」で総武警察署の人達が通うバーのマダムだけど実は時効間際の殺人犯だった茗荷谷かよ子役など,非常に印象的な役を演じていたが,なんとなく今ひとつ光が当たっていない感じだった.でも,これが彼女の代表作になるかもしれない.音楽は本多俊之だが,かなり好き勝手にやっていて,場面に音楽が全然合っていないことも多かった(爆)が,エンディングに流れる「虹が消えた日」は結構良い.次回作に期待というところか.
なお,「千秋」は実在する店舗の「千秋」を使って撮影されたらしい.一度行ってみたいかも.