某シンポジウム三日目

映画のヒット現象を解明する研究では,ブログ書き込み量と興行収入の間には強い相関があり,どちらも公開直後から指数関数的に減少するらしい.これと宣伝費を比較すると面白く,例えば宣伝費より興行収入が多いのが「HERO」や「三丁目の夕日」.逆に全然元が取れなかったのが「大日本人」.エリカ様の「クローズド・ノート」では,あの発言の直後急落したのがはっきり現れていた(爆)他に公開前の人気はブログの書き込み量から予測できて,たとえば「三丁目の夕日」の一作目ではあまり注目されていなかったが,二作目では非常に期待度が高かったとか.さらに,人手でPN判定すると,「フラガール」と「三丁目の夕日」の評判がよく,80%のブログで褒められていたそうである.すでにブログ空間がリアルの世界と連動していることがわかって,なかなか面白い.
いじめの構造をシミュレーションで明らかにする研究(S原教授の学生だった)には,N島学長から鋭い突っ込みがある.つまり,まだよくわかっていない「いじめ」をモデル化してシミュレーションすれば,それなりの結果が出る(いわゆる,「ヤッコー」(やったらこうなったの略)).しかし,「いじめ」は教師の目に見えないところで行われているし,絶対に追試はできないので,決してモデルやシミュレーションが正しいことを証明できない.しかも,シミュレーション結果をアホな官僚が信じて実行したら責任が取れるのか?ということ.もっと無難で実証可能な対象を選んだらと説明したが,学生は意図を理解できなくて,後から落ち込んでいたようだ.なかなか難しい.