黒森庵(杉並区和泉)

ふと思い立って京王井の頭線永福町駅を降りて「黒森庵」に昼食を食べに行く…つもりが,わざわざピーク時間帯をずらして14:25に到着した(営業時間は15:00まで.蕎麦屋は基本的に回転が早いので,時間が掛かる蕎麦屋酒は客が少ない時間帯にするのがマナーなのだ)のに,なんと店頭にまだ3人(2組)も並んでいる.しかも,10分後ぐらいに1人が入れたのだが,その後まったく客が出て行かない.回転が早い蕎麦屋でこんなに待ったの始めて…と思っていたら,ようやくすでに閉店時刻も過ぎた40分後に入ることができた.なお,駐車場はないが,店頭に駐輪用の自転車ハンガーがあるのが面白い(店名は自転車のフレームによく使われる「クロモリ」にちなんでいるらしく,店主もそれらしい格好である).店内は,4人掛けテーブルが二つ,二人がけテーブルが三つとこじんまりとしている.

さて,料理は,お通しのじゃこ・わかめ・菜の花・三つ葉大根おろし・山葵を和えたもの,洋の三点盛り(にんじんサラダ・マスタード風味,じゃがとひじきのアルデンテ,パルマ風生ハム・ルッコラパルミジャーノチーズ添え),イタリアの赤もり.肴は旨すぎない,複数の素材を組み合わせて出した複雑な味で非常に良い(単に「旨い」味を出すのは今では調味料の進歩で簡単になったが,そういうものは味が濃く強くて平板すぎるのだ).赤もりは普通のつけ汁とトマトソースベースのつけ汁の両方で味わうのだが,普通の蕎麦としてもそれなりに美味しいものの,これ以上の味の蕎麦も結構あるなあという感じだったが,トマトソースベースのつけ汁にはまいった.やはり,トマトと蕎麦はよく会うと思う.しかも,チーズや赤胡椒を混ぜたりして,味を少しづつ変えられるのも嬉しい.最後にさらっとしたタイプとどろっとしたタイプの二種類の蕎麦湯と,黒胡椒が出て来て,トマトソースベースのつけ汁にはどろっとしたタイプと黒胡椒を入れてみたが,これも旨くて,これだけで酒の肴になる.
お酒は以下の通り.お燗は陶器の100ccのグラスに入れて出してくれるので,いろいろ呑むことができる.本州一もそれなりに酸があるしっかりした酒だったが,房島屋が結構よく,特に六号酵母が,温めても生っぽい風味は少なく,しっかりとした酸にまだまだ渋さが残っていて熟成させればさらに旨くなりそうで,かなり気に入った.どうも通販してくれるようなので,今度取り寄せてみるかな….

さて,実はこの店には3〜4度目の正直で入ることができた(爆)というのは,土曜日休みだったり,突然長期の休暇を取ったりするからで,GWや夏期などいかにも休みそうな季節は事前に電話で問い合わせておくのがよいかもしれない.食べる直前は不定休や行列でこんなに入りにくい店には二度と来ないだろうと思っていたのだが,食べた後はなんとかがんばってまた来ようと思っていた(爆)
ところで,いつもこんなに混んでいるのだろうか?カップル客が多かったので,もしかするとどこかの雑誌に取り上げられた影響なのかな?