第2回 純米酒を呑みつぐ会 米・復活(茗渓会館・茗荷谷)

昨年と同様に,茗荷谷で「純米酒を飲みつぐ会」に参加.第1部は「亀の尾」と「強力」という酒米を復活させた鯉川酒造の佐藤一良蔵元と,山根酒造場の山根正紀蔵元(通称ダンディ山根社長)を迎えての蔵元対談.

「亀の尾」は北の地方の酒米であり,鯉川酒造では,阿部亀治一族が持っていた種籾を譲り受けて栽培した.なお,久須美酒造は,筑波農水省種センターから入手したそうで,この二種類の「亀の尾」は,前者には芒(のげ)が長く,後者には芒がないという違いがあるそうである.
「強力」は南の地方の雄町系の酒米であり,鳥取大学農学部で原種保存されていた種籾を譲り受けて栽培した.
両者は,農薬に弱いことや,化学肥料には向かないなどの欠点が共通するそうで,そのために原点に帰った米作りをする必要があるようだ.また,味が出にくかったそうなので,造りをいろいろ工夫したようである.
第2部は純米酒を楽しむ会である.びっくりしたのは,同じテーブルに「ミスター味っ子」の寺沢大介氏がいたことである.日本酒好きのようなので,「日本酒の漫画は書かないんですか?」と聞いたら,日本酒の場合には味の感じ方が人によって違うので,万人に理解できるように書くのが難しいらしい.
出た料理は,前菜盛合せ,芝海老のチリソース炒め,海の幸とアスパラ炒め,豚の角煮と青菜の煮物,鳥のスモーク&紫蘇巻き団子,海老団子の甘酢あんかけ,梅しらす御飯,中華風漬物.







お酒は以下の通り.どれもお燗してもらえるが,鯉川の亀治好日,日置桜の伝承強力と純米がなかなか良い感じだった.なお,佐藤氏に「亀治好日が少し華やかで熟成させても味乗りが悪い年があったのですが,どうしてなんですか?」と質問したところ,酒造りの時に低温で引っぱりすぎるとそうなるとのこと.