モテキ(T・ジョイ大泉)

宣伝や予告編やホームページがいかにも駄作っぽいように見えていて敬遠していた「モテキ」(爆).
しかし,森山未來長澤まさみ麻生久美子仲里依紗真木よう子リリー・フランキーという好きな俳優ぞろいで,しかもPerfumeまで出るので悩んでいたところ,「ひまり屋」の富さんが「気に入った人が出てるだけでもいいじゃないですかw」と言ってくれたので,ミッドナイトショーを見に行ってみた.
監督の大根仁は,映画は初監督らしいが,実はTVでは「TRICK(しかも,「パントマイムで人を殺す女」!)」,「アキハバラ@DEEP」,「ライオン丸G」,「去年ルノアールで」,「週刊真木よう子」,「湯けむりスナイパー」という私がすごく好きな作品を演出・監督していたことがわかった.カラオケ,TwitterYouTubeなどの要素がストーリーや演出,デザインにうまく取り入れられており,かなり革新的.この点では,中島哲也監督と類似点が多い気がする.
音楽も積極的に取り入れているが,竹内まりあの曲などが出てくるのは「竹内まりやソングミュージカル 本気でオンリーユー」をやったからか?選曲が役柄の設定年齢を考えると少し古めで,私の好みとぴったりなので,たぶん監督の個人的な好みなんだと思う(爆)
また,それぞれの俳優の今迄の作品から植え付けられたイメージを活かした配役をしており,リリー・フランキーは女性を口説きまくるところ,麻生久美子吉野家で一人で牛丼を喰うところ(爆),仲里依紗は子供を抱いているところ,真木よう子はキックを喰らわすところ(爆)など,なかなか印象的なシーンが多い.逆に,森山未來はそれほど印象的ではないのだが,それはそもそも藤本幸世という役が徹底的なダメ男だからで,つまり彼は非常に見事な演技をしたということなのである!ただし,Perfumeと一緒に踊るシーンでは,彼はやっぱり才能があるんだよねということをしっかり見せつけてくれる.
さて,この作品で特筆すべきは長澤まさみの演技.昔から,彼女には天賦の才能があると思っていたのだが,残念ながら「世界の中心で、愛をさけぶ」以降は,今一つ才能が活かし切れていなかった.それは,彼女は論理ではなく感情で演じる人なのに,所属事務所の意向なのか,それを抑える優等生的な役柄が多かったからだと思っている.今回,巨乳も少しだけ解禁し(爆),彼女の揺れる・爆発する感情を出していて,はまり役だったと思う.結婚で引退なんかせずに,まだまだ一線で活躍して欲しい女優なので,今後も自分に合った役を見つけてチャレンジして欲しい.
で,作品の感想を簡潔に言えば,凄く面白いけど,そもそものこの作品の方向性から言って深みはないという感じか.映画としての完成度は置いといて,とにかく出演している人が好きとか,とにかく楽しみたい人にはすごくお薦めだ.
ところで,クレジットを見ていたらTV版「モテキ」の女優陣がどこかにでてきたようだが,見逃してしまった…途中のTVの画面に映っていたとかかなあ?