西岡酒造「純平」酒の会(かぶら家・三鷹)

大学の講義を終えた後に,急いで渋谷で用事を済ませてから,三鷹に戻り,高知県中土佐町久礼にある西岡酒造の酒の会に参加した.

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幸運にも途中で杜氏と話をする機会があった.全般的に締まった感じで酸がしっかり効いている傾向があったので,このような酒が地元で好まれているかを聞いたところ,そうではないらしく,地元では普通酒がほとんどとのこと.酸がしっかりしているのは,それが杜氏の好みだかららしい.普通の純米酒を飲むと,辛口とは全然違う柔らかい味.

また,長期保存するのが好きらしい.ただ,夏の暑い時期を除くと,常温で保存しているそうで,実際に純米吟醸3年古酒は,同じ3年貯蔵でも冷蔵の菊姫の黒吟と比べると,かなり古酒らしい古酒になっている.

他にも,あそこの酒はしばらく常温保存するとよくなるはずとか,大吟醸でもぬる燗にするとおいしいという話を聞く.この蔵の本質は,華やかさよりも,地元の米を使ったしっかりした味わいと,地元の食べ物との相性の良さにあるのかもしれないという気がした.実際,地元では猪を獲る猟師でもあるらしく,鰹や猪などの癖のある食べ物にはぴったりじゃないかなあと思う.十四代が時に華やかすぎて食べ物に合わないこともあるようなデザートワイン的な性格があるのに対して,これはやはり食中酒的な性格だろう.

なお,最初は人がそれほど集まらないのかなと思っていたのだが,実際に行ってみるとまた満杯だった.30人オーバー?さかなやみたいに,もっと小規模だと,ゆったりとくつろげていいんだがなあ….まあ,三軒も持っている有名店だから仕方がないとはいえ,もともと人混みが好きではない性格だし,せっかく行ってもなかなか他の知人とも喋れないので,今度からは人数が多い集まりは避けて,普通の日に絞ろうかなあと思っている(今回も,大人数になるようなら行かないと行っていたのだが).もちろん,酒の会に行くと,いろいろ珍しいお酒を飲めるのはうれしいのだけど,私にとっては,酒を飲むという行為の価値は,酒自身だけにあるわけではないのだ.

追記:なんと33人だそうです.凄すぎる….