7月24日通りのクリスマス(吉祥寺セントラル)

中谷美紀大沢たかおという組合せで,結構期待していた映画.大沢たかおは,芸達者というわけではないが,人目を惹きつけてしまう独特の雰囲気を持っている.佐藤隆太も好演.ただ,上野樹里は,こういう役が向いていないような…結局自分を素直に出す主役に近い役なら素でできるが,他の人を盛り立てるように演じるのはまだできない様子.この点では,小日向文世は凄いと思う.

長崎とリスボンをうまく組み合わせる手法はなかなかうまい.美術と音楽は素晴らしく,存分クリスマス気分に浸れる.

で,途中まで結構楽しく見ていたのだが,どうもクライマックスの出来が悪い.なんでかなあ…と思っていたら,脚本が金子ありさなのに気がついた.彼女はフジテレビのドラマの脚本をよく書いているのだが,最新作ドラマがあの悪名高い(苦笑)「サプリ」(月九といういい枠で,こんないい俳優を集めて,しかも好演しているのに,なぜこんなに面白くないの?というとんでもないドラマ).そういえば,「電車男」の映画も同じ感じだったことを思い出す.要するに,細かい描写は非常にうまくできるが,肝心のクライマックスを大胆に盛り上げることが苦手で平板かとっちらかるのどちらかで,今までの作品を見ると確かにその傾向が見られるので,脚本の問題かもしれない.