参醸倶楽部(札幌すすきの)

ミュージアムの後に,再び歩いてユキ猫リストに載っていたすすきのの参醸倶楽部に食事に行く.ここは寿司屋の二階で,古い梁や床がそのまま剥き出しにしていて,古さと新しさが混在したなかなか素敵な雰囲気.
食事は,活ほっき刺し,桜姫鶏ザンギの生のりあんかけ,八角のウニ味噌焼き,銀鮭カマ焼き.メニューはちょっと洒落たダイニング風に北海道のテイストを加えたもので,味はどちらかといえばおばんざい風で,派手で濃厚な味ではないが,滋味深い感じでなかなか良い.なお,最後の銀鮭カマ焼きは頭の半身が丸々でてくるので,当然完食できなかった(爆)
洞爺湖温泉の地酒「彩湖の杜(さいこのもり)」はなんと実は森喜酒造場が作っていて, 酒本商店が扱っているらしい.味はもちろんけちがつけようがない素晴らしさ.洞爺湖温泉の地震被害の義捐金付きらしいので,どんどん呑もう.北斗随想は,すべて北海道で造られたお酒で,少し凱陣のような感じがしてなかなかよかった.この店は,錫のタンポでお燗して,湯飲みや蕎麦猪口で出してくれるのだが,その時にお酒をかき回していたので理由を聞くと,若いお酒をお燗する場合には,こうすると味が膨らむとのこと.確かに,日本酒でもデキャンタージュして空気を含ませることが有効なので,今度若いお酒の時には試してみようと思う.また,蕎麦猪口を使うと,猪口のように一気に温度が下がらないので,ゆっくり食事しながら呑む場合には有効のようだ.
なお,北海道のお酒をもっと扱いたいのだが,なかなかしっかりした酒は少なくて…と言っていたが,私が買ってきた千歳鶴の燗あがり山廃純米を見て,「えっ,千歳鶴が山廃を造っているの?…不勉強でした.明日すぐ買いに行きます」と言っていたので,地元の酒呑み達にもあまり知られていない新製品だったようだ.

  • 洞爺湖 彩湖の杜(さいこのもり) 特別純米酒 18BY 7号酵母瓶火入れ 麹米:山田錦・掛米:五百万石(60%)(三重・合名会社森喜酒造場)燗
  • 杉錦 山廃純米鮭 滋賀県産玉栄(60%) HD-1・きょうかい7号 2006BY 製造年月19年10月(静岡・杉井酒造有限会社)燗
  • 北斗随想 純米吟醸生 しずくどり 吟風(45%) 製造年月19年2月(北海道・小林酒造株式会社)燗
  • 三井の寿 五年円熟 山廃 糸島産山田錦(70%) 製造年月19年6月(福岡・井上合名会社)燗
  • 旭菊 大地 純米 山田錦(60%) 7号系 製造年月19年10月(福岡・旭菊酒造株式会社)燗

店長と料理長とはいろいろ話をして,非常に楽しい時間を過ごしたのだが,実はここの系列は,もろはく,隠口(こもりく),そしてこの参醸倶楽部の三店あるらしい.オーナーが直接経営しているのが「もろはく」で,ここはまったく宣伝していない,こだわりの酒呑みだけが集まる日本酒バーだそうで,ぜひ一度行って欲しいと言われた.熟成系の酒も得意なようである.隠口はユキ猫氏のブログを参考にして欲しいが,参醸倶楽部と共にもう少し一般向けのお店らしい.なお,いろいろ話を聞く限りでは,参醸倶楽部は,店長の小森氏の好みも強く反映されていて,個性的なように感じた.これらの三店は互いに近くにあり,定休日もずらしているので,すすきので燗酒を呑みたい!という時には,非常に頼りになると思う.