しまねの地酒フェア(有楽町・東京交通会館12Fカトレアホール)

とりあえず抜けられそうだったので,急いで実家から新幹線で東京駅に行き,さらに有楽町のしまねの地酒フェアに直行.T巻氏一行とるみちゃん一行に業界関係者の時間帯に誘って頂いたのだが,その時間にはとても間に合わないことがあらかじめわかっていたので,るみちゃんにお願いして招待葉書を一枚もらっておいたのだ.もしかして誰か残っていないか…と会場を一周したのだが,さすがに誰もいなかったので,T巻氏の携帯にメールして,李白(特に山廃),十旭日(燗冷を飲み比べ),月山,隠岐誉,國暉,石見銀山,開春(燗冷を飲み比べ)が良いと教えてもらい(情報どうもありがとう!>T巻氏),その後会場で会ったT田氏に美波太平洋を推薦してもらう.
結局飲んだのは,李白李白酒造株式会社),豊の秋(米田酒造株式会社),國暉(國暉酒造有限会社),月山(吉田酒造株式会社),美波太平洋(木次酒造株式会社),十旭日(旭日酒造有限会社),天穏(板倉酒造有限会社),石見銀山(一宮酒造有限会社),開春(若林酒造有限会社),扶桑鶴(株式会社桑原酒場),隠岐誉(隠岐酒造株式会社).ここまで飲んだところで終了時間に.
まず最初に行ったのは扶桑鶴.嬉しいことに大畑専務は私を覚えてくれていた.ここが特に印象的だったのは,大吟醸まですべて常温で,さらに純米を二種類お燗してくれたこと.特に大吟醸の常温がまろやかで旨く,これをワイングラスで飲んだらさぞかし旨いだろう.
天穏は,純米は一旦デキャンタージュしていたのも面白い.ここで印象的だったのは,まだ出荷していないという,一般米を使った低価格純米酒で,荒さはあるものの,かなり力強い酒である.また,ラベルが見たことがないものばかりで,「馨」さえも見たことがなかったので聞いてみたところ,「O塚屋さんには,特別のラベルで出荷してます」ということらしい.
推薦して頂いた蔵はどれも順当だったが,知らなかった蔵では,たとえば月山の熟成古酒や隠岐誉の「海鳴りの詩」をiPhoneが旨いと言っていた(←酔っぱらって本人はよく覚えていないので,メモ代わりに写真を取ってあるのだ).特にこれは!と思ったのは「美波太平洋」斐伊川おろち純米酒(無農薬有機栽培の改良八反流を用いた自然酒)と,おろち乃舌鼓(五穀米を使った辛口の濁り酒,「どぶより濃い」と言っていて,お燗しても旨いそうである).どちらもO塚屋のK子氏好みのような気がするが,うかつなことを言うと怒られそうなので本人には言えない(爆)残念ながら当日販売はしていなかったが,オンラインショップもあるので,今度買って再度味わってみたい.
全般的には,島根県の酒は吟醸香にあまり頼らず,しっかりしていて好印象である.ただ,その分,単に冷やしただけでは必ずしも良さがわからないので,一部の蔵がすでに実施していたように,冷酒だけでなく常温や燗など,もっと酒質(単なる酒の種類ではない)に合わせた飲み頃温度に細かく気を使うべきだろう.そうすれば,もっと酒のポテンシャルが引き出されるはずだ.このレベルなら,また来年行って,今年飲めなかった酒も味わってみたい.