酒房たかはし(京都市四条高倉)

以前から憧れていた「酒房たかはし」に.階段を上がり,ドアを開けると,そこには静かで落ち着いた空間が.京都の日本酒バーは,とにかく空間の使い方が贅沢で上手い.すでに先客の女性が燗酒を楽しんでいて,私はカウンターの反対側に座る.その後,さらに男性客がきたが,わかっている常連ばかりのようで,その会話は横で聞いていても楽しい.店主も明るく気さくな人で,私のような初めの客にも優しく接してくれる.東京から来たと言ったら,「いつもどこのお店でお酒を買っていますか?」と聞かれたので,「大塚屋です」と答えると,ちゃんと知っていたのは凄い.その後,先ほど電話で予約していた女性が京都らしく習い事帰りに立ち寄ったらしく,まずしょっぱなから竹鶴大吟醸の14BYの燗を頼むのを見て,こりゃ凄いと思う.その後,店主が取り出した猪口を見ながら「家にあった販促品なんですよ.」などと話を…むむっ?!実はこの女性こそが,以前からお会いしたかった辨天娘2(辨天娘の辨天娘)なのであった.なお,彼女も「るみさんは,この前ダンディ山根社長と一緒に蔵に来てくださったんですよ.」と言っていたところを見ると,K子氏の野望通り「ダンディ」という呼び方は全国区になりつつあるようだ(笑)彼女は米も酒も造っているそうで,麻衣子杜氏のように,一度女性がこれと決めた時の凄さと感性には一目置いているので,こういう若い女性が酒の世界に入ってくることに非常に期待しているのである.一度呼んで欲しいとるみちゃんに頼んでいるんですけど…と言ったら,喜んで行きますと言っていたので,今度るみちゃんに強力にプッシュしておこう.
料理はおからを食べながら呑み,最後に蕎麦で〆る.
お酒は以下の通り.あの強力な新潟と鳥取の店(一部意味明瞭)から仕入れているだけあって,とにかくビンテージものの充実度合いが凄く,最近まで辨天娘の14BYや15BYがあったと聞いたのはびっくりした.関東だとどうしてもお酒の奪い合いになるので,ここまでしっかり熟成したお酒を楽しませてくれる店は少ない.完全に脱帽である.

  • 秋鹿 純米酒 無濾過火入れ原酒 雄町(80%) 6号酵母 200 2004年上槽 製造年月17年3月(大阪・秋鹿酒造有限会社)燗
  • 辨天娘 純米 八番娘 五百万石・玉栄(65%) 製造年月19年1月(鳥取・有限会社太田酒造場)燗
  • 小笹屋竹鶴 大和雄町 無濾過 純米原酒 賀茂郡大和町産雄町(60%) 協会701号 2000(平成12)酒造年度(広島・竹鶴酒造株式会社)燗

地下鉄四条烏丸駅にも近く,京都駅にすぐ行くことができるので,出張などの時間がない時でも,ぜひ立ち寄って欲しい店である.