某研究会二日目

この研究会のプログラムを見て思うのは,やはりSem?ntic Webの描いた理想は「悪い夢」だったということ.工学における理想の基本的な考えは「適材適所」なので,必ず何らかの制限がある.ところがその本質を理解していないですぐ「万能言語」,「万能システム」などを追求しちゃう世間知らずが入ってくると,物事を悪い方向に持って行ってしまうんだよなあ.
あと,C*boChaで係り受け解析が簡単にできるようになったものだから,Webデータの特定のフレーズに着目して情報抽出する研究多し.時折アイデアの有用性を最初に検討せずに,とりあえずやってみましたという研究まで見受けられるのが困り者だけど,こういうツールの登場でいきなり敷居が低くなったのは素晴らしい.やはり容易に入手できて,そこそこの性能で解析できるツールの登場は,世の中を確実に変えて行くと思う.
なお某大な地球観測データにメタデータをつけて管理するという研究報告がなかなか興味深い.ただ,基本的に人間による手入力だったり,プロジェクトが走りながらメタデータフォーマットを定義していくものだから,メタデータコンシステンシーを保てないけどどうするの?と質問したら,それはまったく考えていない…というか,まだ考えている余裕が全然ないらしい.本当はそれが一番重要で面白いところだと思うけど.
なお長い(笑)昼食から戻って来た時にM下氏に呼び止められて,弊社を辞めて大学に転職したと,新しい名刺を渡される.弊社の優秀な若手はどんどん辞めていってしまうなあ….