大塚屋(武蔵関)

大塚屋に頼んでおいた生酛のどぶをようやく引き取りに行く.ついでに最近の入荷をチェックしていたら,店員が「呼んできますね.」と言って,徹也さんを呼んできてくれた.私は家が近くで頻繁に行くことから,大塚屋夫妻が仕事で忙しい場合には邪魔したくないので,特に用がなければ自分からは声を掛けないことにしているが,今日は暇ですと言われて一安心.その後,試飲用のいづみ橋の秋とんぼを持って京子さんも登場!
京子さんはブログはほとんど見ないのだが,ダンディ山根社長がここで大塚屋の夫婦漫才が中継されていると電話で密告したために気にしはじめたらしい.「ここで喋ったことは書かないでくださいね」と頼まれるが,「書きます」と却下(爆)みなさん,あまり密告しないようによろしく.
そう言いながらも,いきなり「雲乃井」(現在三種類揃っている)を指差して,「これは主人が仕入れたんですよ」,「勝手に広くスペースを取ってしまって…そのうちこっそり面積を減らそうと思ってます」と来た!(笑)「雲乃井」は白身の魚に合いそうな捌けのよい旨い酒なんだけどなあ.さらに,前回デザインをけなしていた(決して味ではない)大吟醸(特に名を秘す)は箱から出して四合瓶の状態で冷蔵庫に入れられていた.「やったな…」と思い聞いてみると,「箱は大切にしまってあるので,欲しいという人にはちゃんとお出しします」と答えていたが,あのデザインは京子さんの美意識が許さないので,できる限りお客にも見せたくないということだろう(爆)
あと,すでにいづみ橋の秋とんぼが山田錦,雄町共に入荷していた.この二本の酒質は昨年と反対で,京子さんによると,雄町は今でも飲めるが,山田錦はしばらく熟成させる必要があるとのことで,特に雄町の出来は特筆もの.これは買いですよ!味が昨年からさらに変わった理由を聞いたら,泉橋酒造は最近発酵食品全般に手を伸ばしつつあるが,杜氏が味噌麹のノウハウを日本酒にも取り入れたかららしい.この二本がこの店で買えるようになったのは嬉しいが,泉橋酒造に買いに行くのも楽しい(食品やグッズも買えるし…)ので,どうしようか悩み中.
さらに京子さんが「大人の吟醸酒を呑みませんか?」と試飲させてくれたのが,鍛造伝承強力の純米吟醸.これは少しだけ余った強力米を小仕込みした純米吟醸酒.きれいな酒質で上品で控え目な吟醸香もあるが,かすかな苦みと渋味が全体を引き締めている.例えるなら,プリンの美味しさはカラメルの微妙な苦さとの対比にある感じで,確かにこの味の価値はかなり飲み込んでいる人しかわからないかも.京子さんは常温熟成させるとよいと言っていたが,今この時点の繊細さも捨てがたい気がする.少し高いのだが,本当に少量しかないそうなので,欲しい人はお早めに.
結局購入したのは,次の二本だ.

  • 生酛のどぶ 原酒瓶燗 仕込み20号 -9 強力・アキツホ(65%) 20BY 製造年月21年4月(奈良・株式会社久保本家酒造)
  • 日置桜 純米吟醸 鍛造伝承強力 平成20酒造年度 内田百種園産強力(50%) 協会9号 製造年月2009年8月(鳥取・有限会社山根酒造場)