某勉強会

プライバシー保護データマイニングに関する勉強会.数学も統計も不勉強なので完全に理解するのは困難だが,それでも一生懸命聞いてエッセンスでも把握したいと思う.
さて,私の話したのは検索クエリをチェックして,問題がある場合には結果を返さないという手法の話.ただ,実際にはかなり狭い部分だけしか議論しなかったり,結果を返して問題がない場合も拒否してしまったり,実際のシステムへの適用はまだかなり遠い道のりのようである.後半部わからない部分があったので,逆に聴衆に質問してみたが誰も知らず,理解できてもいないようだったので,時間がないこともあり少しすっ飛ばした.やはりあそこは難しかったのか….
C大のO田氏のネットの匿名性・個人情報保護に関する招待講演がすごく面白い.実名(identity),仮名(pseudonymity,異なるサービスでも同じユーザ名を使うような場合),完全匿名(anonymity)という三種類の匿名性と,本人到達性(traceability,誰かわかる,その人の家の戸口に立てる)とリンク可能性(linkability,複数の行為が同一人物であることを判定できること)の関係を示して,実際のサービスのユーザがどれを自分が選択するか,他人に期待するかをアンケート調査で調べていく.情報開示に関しては,消極的実名志向,一貫した仮名志向,匿名・使い分け志向に分類できるようである.興味深いのは,ネットのヘビーユーザーが歓迎する匿名性は,実は完全匿名ではなく仮名の方であり,情報収集や相談の時に相手のプロフィールや履歴がわかることを求めており,名前がリンク不能な場合でもシステムのユーザ登録が求められているようだ.なお,男性は実名指向,女性は匿名指向が強く,女性のαブロガが少ないことに関係しているかもしれないらしい.ただし,Wikipedia IDが完全匿名指向というのも面白い(企業や官庁では書き込みが禁止されたりしているからか?).今後の研究の進展をウォッチしたいので,さっそく後からブログをRSSリーダに登録して,Twitterでフォローした.書籍も出版しているようなので,会社で注文しよう.
なお,講演中に彼女が某巨大掲示板を熱心に読んでいたことが判明(笑)みんな読んでいても一切口に出さないのが普通なわけだけど,これも情報漏洩の一種か?