さかなや(金沢八景)

懇親会には部外者は参加できないので,一人で帰る途中で「さかなや」に.
店に着くと,私の予約の電話に気が付いた吟醸番さんが待っていてくれた.今までお酒の会で顔を合わすことはあっても,彼の方が忙しくてゆっくり話をする暇がなかったが,可飲温度範囲が広い日本酒をどう合わせるべきか,神奈川の日本酒の特性など,今日はゆっくり話をすることができた.ビールや焼酎割りのような冷たいお酒で口中を洗うだけの飲み方しか知らない人に,日本酒と料理のマリアージュの感動を教えるためには,ワインのようにそれらをある程度システム化して,初心者が理解して気軽に試せるようにすべきだという結論になるが,彼にはぜひそういう本を出して頂きたい.
なお,今度カルチャーセンター本牧で初心者向けに「利き酒とつまみの相性 日本酒」という講座を持つらしい.第三日曜日の13:30〜15:00で,参加費2,100円+教材費1,050円で酒(たぶん彼のことだから,それなりの酒を用意するはず)と肴が出て来て勉強にもなるというイベントなので,近くて興味がある人は行ってみるべし.
さて,この日の料理は,お通しの茸汁に,刺身の盛り合わせ(本マグロ中トロ,ホウボウ,〆鯖,サヨリ,鮑),天然鹿の刺身,箱ふぐ.茸汁がとにかく美味しい.「今は旬ではありませんから」と言っていたが,時々加藤氏が自分で採ってくる茸ならもっと美味しいんだろうな.鹿は宮崎と熊本の県境付近で穫れたものらしい.隣の女性二人組が,「この店にはスタミナ納豆と海鮮ピザを食べにくる」と言っていたが,私の場合は箱ふぐと海鮮ピザかな.最後に迷ったあげく,箱ふぐだけを注文したが,一応小さい方だけど,脂が乗っていて美味しかった.ただ,後からやっぱり海鮮ピザも頼んでおけば良かったと後悔したorz




お酒は以下の通り.白露垂珠は吟醸番さんのこの日の一番のお薦めだったが,吟醸香は穏やかで米の旨味もあり,なかなかバランスが取れた酒だった.悦凱陣は加藤氏の息子に「鹿肉と箱ふぐに合わせて」と選んでもらったのだが,酒のチョイスは悪くないものの,燗酒に切り替えた後に冷酒を持ってくるところが,まだ修行が足りないところか(笑)

  • 鳥海山 純米生酒 おおっにごり 天寿酒米研究会産美山錦(65%) 協会9号 日本酒度+1.0〜3.0 酸度1.5〜1.7 アミノ酸度0.7〜0.9 製造年月2010年1月(秋田・天寿酒造株式会社)冷酒
  • 白露垂珠 純米吟醸  生酒 初しぼり 美山錦(55%) 日本酒度+2.0 酸度1.0 アミノ酸度1.0 製造年月21年12月(山形・竹の露合資会社)冷酒
  • 開春 純米 石見辛口 山田錦(70%) (島根・若林酒造株式会社)燗
  • 悦凱陣 純米吟醸 興 うすにごり生 平成21酒造年度仕込第1〜2号 八反錦(50%) 熊本9号 日本酒度+7 酸度1.5 製造年月21年12月(香川・有限会社丸尾本店)冷酒

私は冷えた酒だと早く酔いが回ってしまうので,21時頃と少し早めに店を出て,無事帰宅.