大塚屋日本酒ミニきき酒会(武蔵関・陶芸ギャラリー 陶楽)

5月23日(日)・24(日)に,大塚屋日本酒ミニきき酒会が開催された.日曜日に行かないかと松の屋のるみちゃん達に誘われたのだが,残念ながらタロヲ坐釣り会があるので一旦断っていた.しかし,大塚屋の京子さんに「利き酒してから会社行けばいいでしょう?」と断言されてしまったために,結局月曜日の午前中に休んでいくことになってしまった.
今回の会場となった「陶芸ギャラリー 陶楽」は大塚屋から歩いて三分の場所にある.確か私が引っ越してきた時には喫茶店だったと思っていたら,本業の陶芸教室が順調で忙しくなりすぎたので,喫茶店の方をやめてしまったそうである.だから,この空間は陶芸教室を開催している日以外は空いているらしい.

店内は以下のような感じで,元が喫茶店らしくきれいで落ち着いた店内で,そこにずらりとお酒が並べられている.これを見ただけで,京子さんが「会社休んでも来い!」と力説した理由を一瞬で理解した.これで参加費はたったの2,000円(泉橋酒造の赤とんぼの平杯付き)である.

今回は,大塚屋のラインナップから特に自信がある46種類!の日本酒と,料理用の杜の蔵の味わい料理酒・巽醤油・飛鳥山みりんが用意されていた.基本的にすべてお燗OKで,半分以上にすでにお燗された徳利が用意され,また哲也さんと京子さんも頼むと適時お燗してくれる.
なお,これらのお酒は次のようなテーマに従って用意されていた.

  1. 初夏におすすめのさわやかな日本酒.これらはすべて生酒で,いづみ橋の夏ヤゴにごり酒(やごソーダ)やアイスブレーカー,香取の九割生原酒など8種類が用意されていた.個人的に気に入ったのは,北島の生酛純米・渡船と炭屋彌兵衛か.七本槍でも感じたが,滋賀県産の渡船はなかなか期待がもてる酒米だと思う.ただし,酒米が溶けやすいので,かなり締めて造る必要があり,少し難しいそうだ.
  2. 新商品のご案内.杜の蔵酒造が,今後は「独楽蔵」と「杜の蔵」の二つのシリーズに整理するらしく,新しい「杜の蔵」シリーズ4本を紹介していた.このシリーズが面白いのは,酒米が夢一献と山田錦と違っても,純米から純米大吟醸まで統一感のある味であることだ.特に割水燗を手軽に実現でき,いつまでも呑み続けられそうなアルコール度数14度の純米酒と,お燗しても上品な味わいが素晴らしい純米大吟醸が注目.
  3. 大塚屋おすすめの定番日本酒.清酒タイプが25本でにごり(火入れ)タイプが3本.この中に生酛が7種類,山廃が3種類あり,まさにここは大塚屋の面目躍如で,さまざまなタイプの純米酒が揃えられている.冷やと燗を呑み比べて美味しいだけでなく,特に印象的だったお酒は,味的に際立って練れている竹鶴の生酛純米,冷やでは非常に優しいのに50℃以上でお燗するとしっかりした酸が顔を出すジキルとハイド的な白隠正宗の生酛純米,お燗すると独特の土臭さが顔を出すいづみ橋の紀 山廃純米などか.
  4. 同じお酒の飲み比べ 其の一.生酛のどぶの仕込みタンクの違う4種類の飲み比べ.これは最後にしたので,すでに結構回っていて記憶があいまい…(苦笑)
  5. 同じお酒の飲み比べ 其の二.独楽蔵の新酒のみそすり生と熟成酒の玄の飲み比べ.比較できるようにみそすり生は同じ純米吟醸が用意されていたが,味としては純米の方が上か.
  6. 料理酒対決 純米酒VSパック酒.a)本枯れ節+杜の蔵のあじわい料理酒,b)本枯れ節+紙パック料理酒,c)本だし+杜の蔵のあじわい料理酒の三種類の比較.最初はブラインドでやろうとしたらしいが,さすがに躊躇したらしい.a)は口中に一瞬でふくらみのある旨味が広がるが,b)はかなり痩せた味である.また,c)もかなり旨味があるのだが,その広がり方がa)と違い,少し遅れて強い旨味を感じる.これらを味わえたことがかなり面白かった.
  7. 醤油対決 丸大豆醤油VS調味液醤油.巽醤油と100円均一の醤油を味を伸ばして状態で比較するもので,当然ながら巽醤油の方がしっかりした旨味がある.焼いた場合に味がどうなるかも比較したいところ.
  8. みりん対決 純米みりんVSみりん風調味料.飛鳥山と100円均一のみりんの比較.前者ははまるでリキュールのような素晴らしい風味がするのに対して,後者は口に含んだだけで吐き出したくなる.自宅では飛鳥山を使ってるのだが,今度実家にも持っていこうと心に堅く誓ったくらい違う.実際,私はお屠蘇(みりんから作る)は毎年飲まなかったのだが,あれは今回ほどではないが,使っているみりんがあまり美味しくなかったことがよくわかった.

他に,スモークハウス白南風のサラミソーセージや,京子さんお手製のクリームチーズ酒粕漬,胡瓜の漬物などが提供された.
なお,この日は「にほん酒や」の周藤氏+とも,「やきとん ひなた」の辻氏,「砂丘屋」の菊池氏,「作」の橋本夫妻,「カイ燗」の小倉氏,「居酒家 べっしゃん」の別府氏など,そうそうたる面々が来ていた.「やきとん ひなた」にはまだ二回しか行ったことがないのに,辻氏にはすでに顔を覚えられていたようだ.本当に飲食店の人達の記憶力には脱帽する.また,橋本氏には,「こんな時間にここにいるなんて,会社辞めたの?」とさんざん冷やかされてしまったorz
みなさんと話しながら利き酒しているうちに,午後になってしまい,午後も休みにするメールを出すかどうか迷っていたら,京子さんが送信ボタンを押してくれた(爆)ので,結局最後までいて,片付けまで手伝ってしまった.本当にダメ人間だ…orz(追記:ダメな人達がここにも…(苦笑)
ちなみに,大塚屋では,このスペースを使ってまた別のイベントを開催することを考えているそうだ.今回来れなかった人も,ぜひ楽しみにして欲しい.